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【北欧】認知症予防の課題

前回の記事はこちら。

北欧の認知症予防レポート

マガジン形式で北欧の認知症予防というテーマで投稿しています♪

マガジン:北欧に学ぶ認知症予防

こんにちは!あっという間に11月になってしまいました。来月にはクリスマスの準備、年末年始の準備などバタバタと日々が過ぎていくのでしょう。。。


さてさて。

認知症が増加する中で、読者のみなさんは予防のためにどのようなことができるかご存じですか?多くの人が、認知症は避けられないものだと以前はよく考えられていましたが、近年では生活習慣や環境要因を見直すことでリスクを減らせることがわかってきました。それでも、正しい情報を得ている人は少なく、特に移民や少数民族、低所得者層などは予防に関する知識やサポートにアクセスしにくい状況です。なぜ、こうした人々に必要な情報が届いていないのでしょうか?そして、私たちには何ができるのでしょうか?この記事では、北欧認知予防レポートで指摘された認知症予防における課題を紹介していきます。課題をみつめて、私たちは何ができるのか一緒に考えていきましょう(^_^)/

北欧認知予防レポートで指摘された7つの課題

1.認知症予防における知識不足の現状

多くの人々が、認知症予防に関する正確な知識を十分に持っていない現状があります。特に、生活習慣が脳の健康に与える影響についての理解が不足しています。一部の調査では、心血管疾患リスク因子や高血圧、糖尿病、肥満などの代謝因子が認知症に関連していることを知らない人が多く、例えばアイスランドの調査では、わずか8%の回答者しか低学歴を危険因子として認識していない結果が示されています。

2.情報へのアクセスの不平等


認知症予防に関する情報は、必ずしもすべての人に平等に届いているわけではありません。特に移民や少数民族、社会的孤立状態にある人々、健康リテラシーが低い人々、低所得者、知的障害者などは、情報や知識へのアクセスに困難を抱えています。こうした人々にも効果的に情報を届けるための戦略が必要です。

3.資金とリソースの不足


認知症予防に向けた取り組みには、資金やリソースの不足が大きな障害となっています。政府は、認知症予防を重要な公衆衛生課題として認識し、十分なリソースを割り当てることが不可欠です。

4.医療制度における優先順位の競合


認知症予防は長期的な課題であり、他の医療ニーズに比べて優先順位が低くなりがちです。短期的な成果を求めがちな医療制度では、認知症予防に十分なリソースが割かれない場合があります。持続的な視点での政策決定が求められます。

5.組織的な連携の課題


効果的な認知症予防には、医療、社会福祉、教育など、多岐にわたるセクター間の連携が必要です。各セクターの明確な役割分担と調整がなければ、効果的な予防策を実施することは難しいでしょう。

6.エビデンスと実践のギャップ


近年、認知症予防に関する研究が急速に進展しているにもかかわらず、そのエビデンスが実際の政策や実践に反映されるまでには時間がかかっています。最新の研究成果を迅速に取り入れる仕組みの整備が求められます。

7.知的障害者への対応の遅れ


知的障害者は、認知症リスクが高いにもかかわらず、その予防対策は十分ではありません。彼らのニーズに合わせたプログラムや支援体制の強化が急務です。

7つの課題を見て私は何を思うか

と、こんな感じで7つの課題が指摘されております。どうでしょうか?この課題を読んで読者の方は何を思いますか。私個人的には、「エビデンスと実践のギャップ」がかなりグッときました。答えは出ているのに実行できない。そういう分野ってかなり他にも当てはまるものありますよね。結局それも、相手が人間だからなんですよね。だから実践して完結させるのが難しい。これからは行動変容とかモチベとかそういう分野がどんどん熱くなっていくんじゃないかと悶々と考えていることがよくあります。

研究して得たエビデンスを、どう有効活用していくのか。

そして、これらの課題を克服するためには、政府、医療関係者、研究者、市民社会が一体となり、包括的な戦略を策定・実行していく必要があるともレポートには書かれています。

というわけで今回は、レポートで指摘された認知症予防の7つの課題についてご紹介させていただきました。

次回もお楽しみに~

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