RYOKO@北欧で働く理学療法士

北欧ノルウェーで働く理学療法士。

RYOKO@北欧で働く理学療法士

北欧ノルウェーで働く理学療法士。

マガジン

  • 【リハビリテーションの変遷期】~北欧ノルウェーの取り組み~

    ノルウェーのリハビリテーション業界には、革新が求められています。医療従事者や専門家たちが手を組み、「救われた命は、生き続けるべきだ」という信念を掲げリハビリテーションの重要性を叫んでいます。さらに、高齢者やフレイル高齢者に対するリハビリのニーズの増加も明らかになっています。リハビリテーションの定義も見直され、個々の患者や利用者の生活状況と目標を基にした包括的なアプローチが必要とされています。ノルウェーで起こるリハビリテーション改革・問題点などこちらのマガジンにまとめていきたいと思います。

  • 北欧に学ぶ認知症予防

    このマガジンでは、北欧福祉センターが2024年9月に発表した【北欧諸国における認知症予防】の最新レポートを紹介します。 北欧各国が直面する認知症の増加に対処するため、健康的なライフスタイルの推進、聴覚障害予防、高血圧の管理など、エビデンスに基づくリスク要因への対策を取り上げています。認知症予防と他の慢性疾患予防の統合アプローチについても掘り下げ、より包括的な医療政策の必要性も論じられているのでその辺も記事にして皆さんとシェアさせてください。北欧諸国間の協力強化を通じて、効果的な予防策と持続可能なケアを実現するための実践例や政策提言、今後の国際的な取り組みへの参考となる情報をレポートの内容からご紹介します。 参考資料 https://nordicwelfare.org/en/projekt/preventdementia/ 認知症予防に関心のある方におすすめです!

  • 【ノーリフティングケア】~北欧ノルウェーの福祉用具~

    世界中で腰痛は大きな問題となっており、医療従事者の間では他の職業に比べて特に高い発生率が報告されています。このマガジンでは北欧ノルウェーで理学療法士として働く中での福祉用具・移乗技術の紹介・経験談を紹介していきたいと思います。

  • 北欧界隈でのペインリハ

    「北欧界隈でのペインリハ」マガジンでは、ノルウェーで理学療法(PT)学生として、そしてPTとしての日々の中での「痛み」を訴える方々に対する経験談などを皆さんと分かち合いながら、北欧界隈のペインリハビリテーションの考え方や概念の変化などを参考文献を交えて紹介していきます。 エッセイ風な記事もあれば、がっつり研究記事紹介なスタイルもあります。お暇なときにぜひ覗いてみてください。コメントなど大歓迎です♪XもしているのでDMなどもお気軽にどうぞ!

  • 慢性腰痛リハ BY Kieran O'Sullivan

    ノルウェーの理学療法協会が、腰痛専門の研究者・教授・臨床者であるKieran O'Sullivan氏を招いてWebinarを開いてくれるということを知り2024年10月に参加してきました。 セミナータイトルはずばり! Low back pain rehabilitation: how can ‘physical’ rehabilitation professionals address ‘non-physical’ factors?「腰痛リハビリテーション: ‘物理的’リハビリテーションの専門家は、‘非物理的’要因にどのように対処できるのか?」 とても内容も興味深く、私自身講義の最後に聞いてみたかった質問なども聞けたので、数回にわけて投稿していきます。

最近の記事

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長崎から北欧ノルウェーへ:北欧での生活と三児の母としての奮闘、理学療法士の成長記

こんにちは!RYOKOと申します。昭和の終わりに長崎県で生まれ、大学進学を機に上京し、社会福祉学を専攻しました。大学4年生の時にノルウェーのオスロ大学へ交換留学し、その時に今の夫と出会い、後に結婚しました。現在、三人の可愛い娘たちに恵まれています。 2012年にオスロに移住し、専門学校で理学療法士のバチェラーを取得しました。2016年からはオスロ大学病院の整形学科およびオスロ自治体で理学療法士としてキャリアをスタートしました。その後、2018年にはオスロから車で2時間半ほど

    • コロナ前後の回復期の現場を肌感で解説

      ※まずはじめに私の働く回復期の定義病院から退院した高齢患者さんの、自宅退院までのサポートをする、いわゆる回復期リハで働く私ですが、最近「回復期リハ」という言葉を使うことにとても違和感を感じてきました。 理由としては、 1.おそらく日本の介護保険制度下の回復期リハビリの定義とノルウェーの定義が若干システム上違う 2.コロナ後の患者さんの【病状・症状の重症化】の顕著さ 3.いわゆる「リハ」が可能な患者さんはほぼ全員自宅へ退院して地域リハサービスをうける これらの点を含め

      • 北欧各国の認知症予防のための政策と実践

        前回の記事はこちら。 北欧の認知症予防レポート 【北欧】認知症予防の課題 マガジン形式で北欧の認知症予防というテーマで投稿しています♪ マガジン:北欧に学ぶ認知症予防 今回は、北欧各国ノルウェー、アイスランド、デンマーク、スウェーデン、フィンランドの認知症予防のための政策と実践について具体的にご紹介していきます! 1.ノルウェー ノルウェーでは、特定の認知症予防戦略は策定されておらず、公衆衛生政策の原則に基づいて認知症予防に取り組んでいます。これは、認知症を単独の

        • 【北欧】認知症予防の課題

          前回の記事はこちら。 北欧の認知症予防レポート マガジン形式で北欧の認知症予防というテーマで投稿しています♪ マガジン:北欧に学ぶ認知症予防 こんにちは!あっという間に11月になってしまいました。来月にはクリスマスの準備、年末年始の準備などバタバタと日々が過ぎていくのでしょう。。。 さてさて。 認知症が増加する中で、読者のみなさんは予防のためにどのようなことができるかご存じですか?多くの人が、認知症は避けられないものだと以前はよく考えられていましたが、近年では生活

        • 固定された記事

        長崎から北欧ノルウェーへ:北欧での生活と三児の母としての奮闘、理学療法士の成長記

        マガジン

        • 【リハビリテーションの変遷期】~北欧ノルウェーの取り組み~
          18本
        • 北欧に学ぶ認知症予防
          3本
        • 【ノーリフティングケア】~北欧ノルウェーの福祉用具~
          11本
        • 慢性腰痛リハ BY Kieran O'Sullivan
          7本
        • 北欧界隈でのペインリハ
          15本
        • あの頃の私に伝えたい10つのこと
          5本

        記事

          北欧の認知症予防レポート

          昔の同僚が働く老いと健康ノルウェー国立センターのHPに何やら認知症関連の面白い記事が投稿されていて、ちょっと気になったのでそこに掲載されていた≪認知症予防レポート≫を読んでみました。 内容も興味深かったのでnoteでも数回に分けて紹介させていただきます(^_^)/ 簡単にレポート内容紹介タイトル:北欧諸国の認知症予防〈Dementia prevention in the Nordic countries〉 著者:北欧福祉センター〈Nordic Welfare Center

          北欧の認知症予防レポート

          セラピスト間での連携

          1.他(多)職種連携医療現場で働いたことのある方なら一度は聞いたことのある言葉ではないでしょうか?チームとして一丸となって患者さんのために動いていく、そんな意味のある言葉です。 互いの知識や技術をリスペクトしながら、時にはシェアしながら医療の質を高めていくことにもつながる、とても大事なツールだと私は考えています。 2.理学療法士間での連携はどうなっているの?でも、セラピスト間の連携でも、課題を感じたことある方いらっしゃいませんか? 地域セラピスト「複雑骨折で大きな手術

          北欧発センサー付きオムツ【Digna Care】

          育児や介護中のおむつ交換時、「あ〜赤くなっちゃってる、、もっと早くオムツ変えてあげるべきだった、、」なんてことありませんか? もしくは、感染症を防ぎたくて頻繁にオムツ交換をして、睡眠中なのに起こしてしまったり、おむつを無駄にしてしまったり。 常におむつ交換の事を考えること、ストレスになったりしませんか? そんな課題をヘルステクノロジーで解決したいと一人のノルウェー人起業家が立ち向かいました。 たどり着いたのは、オムツセンサー「Digna Care」です。 Digna

          北欧発センサー付きオムツ【Digna Care】

          【賢く選ぼうキャンペーン】無駄な医療を削減し、患者と医療従事者の賢い選択をサポート

          11月はChoose wisely!月間ノルウェーでは、毎年11月になると「賢く選ぼう」キャンペーンの広告がいろんな医療界隈で目に入ります。 皆さんは、このキャンペーンご存知ですか?? 1 「賢く選ぼう」キャンペーンとは?〜Choosing Wisely〜「賢く選ぼう」キャンペーンは、患者と医療従事者が協力し、不必要な医療行為を減らすことを目指しています。アメリカの「Choosing Wisely」運動から始まり、ノルウェーでも「Gjør Kloke Valg」として

          【賢く選ぼうキャンペーン】無駄な医療を削減し、患者と医療従事者の賢い選択をサポート

          【北欧における移民への認知症ケア】実際の現場

          こんにちは!前回の記事では、北欧諸国が出している【移民への認知症ケア】のハンドブックの内容を紹介させていただきました。 北欧における移民への認知症ケア:文化と言語の壁を越える取り組み 今回は普段ノルウェーオスロの回復期リハで働く私が自身の経験から見る、個人的な印象と感想をご紹介させていただきます。 実際のとこはどうなのか?私の職場は医療スタッフも良い感じに色々な国籍が混ざり合っているので、基本的に移民背景の患者さんへの対応は皆割とすんなりと理解し行動に移すという感じです

          【北欧における移民への認知症ケア】実際の現場

          【パーキンソン病すくみ足】それでも歩くことを諦めたくない

          最寄駅で出会った【すくみ足】で立ち止まっていた彼先月の話になりますが、、、娘との買い物の帰り道、70代くらいかな?の男性が歩行器を持ったまま駅前で立ちすくしていまして。 周りには30代くらいの男性1人だけで、おそらく彼も心配で気になったのか、そのおじいさんのところへいって「大丈夫?」と声をかけていました。 私たちも彼のところへいって、何があったのか聞いてみようとしたけれど、 「・・・」 返事をしてくれない。表情もかたい。とにかく動かない。 ・・・ん?とそこで医療者の

          【パーキンソン病すくみ足】それでも歩くことを諦めたくない

          北欧における移民への認知症ケア:文化と言語の壁を越える取り組み

          公式の北欧諸国協力に関するウェブサイト norden.org に2020年にPublishされた興味深い認知症関連ハンドブックがあったので、ご紹介させていただきます(^_^)/ 北欧福祉センターが作成したもので、ずばりタイトルは【移民者への認知症ケア】(2020年版) 他人事ではないなぁと思ったので、必要な方にこの情報が届いたらなぁ・・・と思います。 1.北欧諸国で増加する移民の認知症患者北欧諸国では、1960年代から1980年代にかけて移住してきた移民が高齢化し、認知

          北欧における移民への認知症ケア:文化と言語の壁を越える取り組み

          ⑦慢性腰痛アプローチを取り巻く様々な課題点

          前回の記事を見ていない方はぜひこちらからどうぞ♪ 【前半戦スタート】慢性腰痛エキスパートのセミナー参加してみた 【前半戦中盤】Kieran O'Sullivan氏 腰痛セミナー 【前半戦後半】非物理的要因に対してセラピストは何をすべきか 【後半戦①】LOW BACK PAIN X COGNITIVE FUNCTIONAL THERAPY 【後半戦②】慢性腰痛に対して理学療法士の私は何をどうすればいい? 【後半戦③】Kieran O'Sullivan氏腰痛セミナー後半戦も終盤

          ⑦慢性腰痛アプローチを取り巻く様々な課題点

          ⑥Kieran O'Sullivan氏腰痛セミナー後半戦も終盤

          前回の記事を見ていない方はぜひこちらからどうぞ♪ 【前半戦スタート】慢性腰痛エキスパートのセミナー参加してみた 【前半戦中盤】Kieran O'Sullivan氏 腰痛セミナー 【前半戦後半】非物理的要因に対してセラピストは何をすべきか 【後半戦①】LOW BACK PAIN X COGNITIVE FUNCTIONAL THERAPY 【後半戦②】慢性腰痛に対して理学療法士の私は何をどうすればいい? 早速前回の続きから。 1.慢性腰痛に対して理学療法士の私は何をどうす

          ⑥Kieran O'Sullivan氏腰痛セミナー後半戦も終盤

          ⑤慢性腰痛に対して理学療法士の私は何をどうすればいい?

          こんにちは! ノルウェーの理学療法協会が、腰痛専門の研究者・教授・臨床者であるKieran O'Sullivan氏を招いてWebinarを開いてくれるということを知り参加してきました。 セミナータイトルはずばり! Low back pain rehabilitation: how can ‘physical’ rehabilitation professionals address ‘non-physical’ factors? 「腰痛リハビリテーション: ‘物理的’

          ⑤慢性腰痛に対して理学療法士の私は何をどうすればいい?

          ④LOW BACK PAIN X COGNITIVE FUNCTIONAL THERAPY

          こんにちは! ノルウェーの理学療法協会が、腰痛専門の研究者・教授・臨床者であるKieran O'Sullivan氏を招いてWebinarを開いてくれるということを知り参加してきました。 セミナータイトルはずばり! Low back pain rehabilitation: how can ‘physical’ rehabilitation professionals address ‘non-physical’ factors? 「腰痛リハビリテーション: ‘物理的’

          ④LOW BACK PAIN X COGNITIVE FUNCTIONAL THERAPY

          ③【前半戦最後のテーマ】非物理的要因に対してセラピストは何をすべきか

          こんにちは! ノルウェーの理学療法協会が、腰痛専門の研究者・教授・臨床者であるKieran O'Sullivan氏を招いてWebinarを開いてくれるということを知り参加してきました。 セミナータイトルはずばり! Low back pain rehabilitation: how can ‘physical’ rehabilitation professionals address ‘non-physical’ factors? 「腰痛リハビリテーション: ‘物理的’

          ③【前半戦最後のテーマ】非物理的要因に対してセラピストは何をすべきか