アルツハイマー村入居のために必要なことは本人の過去・現在・未来を全て考慮すること
前回の記事はこちらから→ アルツハイマー村への入居条件
1.部屋数は限られている
前回の記事でもお話ししましたが、部屋数にも限りがあるので認知症の方全員が入居できるわけでもありません。回復期リハでフレイル高齢者を対象としたリハビリを行う私ですが、回復期リハ施設から自宅退院せずそのままアルツハイマー村へ入居した方も見てきました。
2.もともと自治体のサービスを受けていた
入居したほとんどの方は、以前から自治体の介護・支援サービスを自宅で受けています。家族、在宅看護師・介護士さんもその方の日常を非常に理解して、病状の変化を上手く言語化し、最終的に入居できるかできないかを決定するケースワーカーさんに伝えている場合です。自宅に住んでいたけど、何がどういう状態になったのか、これまでどのようなサービスを受けてきたのか、なぜ自宅に住むことは難しいのか、退院後自宅に住むことでどのようなリスクがあるのか。その理由はなにか。
3.病院側からのサポート
そして病院からのカルテや主治医からのサポート、そして可能であればこれから数か月・数年で病状はどうなるのか、どのようなサービスがその方の症状や進行を抑えたり、QOLを上げることに繋がるのかを前もって伝えている場合も、入居の鍵になることが大きいです。
4.入院中の丁寧な観察・行動分析
入院中は、安全な施設の中で24時間患者さんの行動を観察・分析できる場所です。その日その日の患者さんの様子を論理的に分かりやすくジャーナルに記録し、どのようなアプローチがその人を助け、どのような状況がその人の不安を高め行動問題を起こすかなど、細かく分析できる専門知識をもった医療者がいると、自宅ケア・リハではなかなか観察ができなかった重要なポイントなども見つけることがよくあります。
5.多職種連携の重要性
入居条件を見ると、その村での生活を十分に楽しめて提供されるサービスを有効活用できる人が入居しやすい状況です。ということは、ご本人のことを理解している人が多ければ多いほど、適切な判断をへて入居可か不可をスピード感をもって決めることが出来ると思います。
事前情報が少ない場合(自治体の人に存在を知られていなかったなど)は、審査の時間もそれだけ長くなります。その間にも病状は進行します。(だから認知症って予防ケア・リハって本当に大事なんですよね。)
単に診断書に認知症ってかいてるから、と入居できてもそれは結局本人のためになるの?という場合もあります。しかし、さまざまな専門家がお互いの専門知識を使って、家族と一緒に「この人にとって一番最善な場所ってどこ?」を話し合うことで「おそらくアルツハイマー村じゃなくて、〇〇に特化した施設が適切かもね。」という結論に至る場合もあります。
多職種連携って、地域のコミュニティを含めてこれからもっともっと必要になってくるし、その重要性はもっと注目されるべきだと感じます。
少しつらつら長く書いてしまいました💦
ここまで読んでいただきありがとうございました!
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