アルツハイマー村への入居条件
1.認知症の診断があれば誰でもアルツハイマー村に入居できるわけではない
結論からいえば、アルツハイマー村での生活やそこで提供されるサービスを有効活用できる出来る人が入居者の条件を満たすことができます。
無限に部屋数があるわけでもないですし、全ての認知症の方が誰でも入居できるわけではありません。医療スタッフや専門家が本人や家族を交えて1つ1つ丁寧に審査をしていくわけですが、基本的な入居条件というものが存在します。
以下、施設がHPで記載している入居条件を簡単な日本語で説明していきます。
2.高齢者認知症診断を受けた人向けの入居基準
24時間のケアが必要なこと
入居者は、24時間体制のケアを必要としており、保護された環境での長期滞在に該当すること。認知症の主診断があること
入居者は認知症を主な診断としており、医療機関で検査を受けていること。ただし、前頭側頭型認知症(FTD)は除外されます。その他の身体的または精神的な症状が、認知症の症状よりも顕著でないことが条件です。移動能力があること
入居者は、歩行補助具の有無にかかわらず自由に敷地内を移動でき、施設内の設備を利用できる程度の機能レベルを持っていること。認知刺激と日常活動に参加できること
入居者は認知的な刺激や活動に参加できることが求められ、日常の生活活動にもある程度参加できることが期待されます。社会的生活に楽しみを見出せること
入居者は、住居グループやコミュニティ内での社会生活を楽しむことができること。軽度の行動問題があるが、重大な行動問題はないこと
入居者は興奮や徘徊、運動性の不安定さがある場合もありますが、深刻で広範な行動問題は持たないこと。デジタル監視と位置情報技術に同意すること
入居者は、デジタル監視および位置情報技術に対して抵抗しないことが条件です。
3.若年性認知症の診断を受けた人への入居基準
専門医による認知症の診断があること
入居者は、専門医療機関で認知症の診断を受けていること。65歳以下で症状が出たこと
症状が65歳以下で発症していることが条件ですが、例外的に70歳までの人にも入居が認められることがあります。施設を有効活用できること
入居者は次のような形で施設を有効に活用できることが求められます:ハイキングや運動グループ、個別トレーニングなどの身体的活動に参加すること。
日常生活の活動や日常的な仕事に参加できること。
認知刺激や活動に参加すること。
施設外の社会生活に参加できること(例: 買い物、カフェ訪問、美容院、映画、コンサートなど)。
活発な部門とその社会生活に適応できること
入居者は、活発な部門やその社会生活に適応できることが求められます。
4.私個人の感想:多職種連携がより求められる時代に突入する
回復期施設で働く私も、自宅退院が不可能でアルツハイマー村へそのまま入居する方を見てきました。入居までのプロセスで何が大事って、本人を取り巻くすべての人を巻き込んでいくことが大事です。もちろん本人が強く希望し病状を説明できるに越したことはありませんが、認知能力が低下している状態では周りからのサポートが欠かせません。
次回の投稿では、多職種連携に関して掘り下げてお話ししたいと思います。