ノルウェーの精神科で実習したときの話~【痛み】の知識を深めたくなったきっかけ~
実習先で出会ったスーパーバイザーはNorwegian psychomotor physiotherapist。
皆さんはPsychomotor physiotherapyという言葉は聞いたことがあるだろうか?
精神疾患やトラウマを抱える患者さんの多くは、からだの痛みを訴える人もたくさんいて、理学療法学生だったわたしは、ただ立ち尽くして一体何をどうアプローチしていけばいいのか分からなかった。
こころの痛みを抱える人は、身体のどこかに痛みや不調を感じる人が圧倒的に多かった。今まで学校で学んだROM検査や筋力検査をしてアプローチをしても痛みが一向に改善しない。そもそも、担当した方々は以前から理学療法のアプローチを受けたことがある人ばかりで、すでに私が評価した関節・筋肉にフォーカスをあてただけの【痛みの理由】からのアプローチは助けにならなかった人が多かった。
そんななかで私のスーパーバイザーはNPMPの専門資格も取得していて、ひとつひとつ丁寧に彼女なりの検査・評価方法を指導してくれた。
彼女はいつも私にこう指導した。
彼女は個別セッションとは他に患者さんに対してミニセミナーも実施した。なんで授業も治療の一環なのかと尋ねたら「知識は力なりだから(Because knowledge is power)」と答えた。
授業の内容は、まるで医療者向けレベルの、けれど医療用語はなるべく避けた分かりやすいことばで説明されていた。話の内容は主に脳・神経・ニューロンレベルの話で、こころとからだが切り離せないのはなぜなのか、何故じぶんは今不安なのか、心臓がバクバクなっているこの瞬間、からだの神経レベルで何が起こっているのか。患者さんのセルフマネジメントを目的とした内容だった。実習生だった私はどんどんバイザーの専門分野にのめり込んでいった。
とともに、「痛み」と「中枢神経」の関係性をもっと知りたくなった。
Psychomotor physiotherapyについてもっと知りたい方は、Physiopediaのこちらのリンクから。
Norwegian psychomotor physioterapy (NPMP)については公式専門グループがYoutubeで紹介動画を出しているのでこちらからどうぞ。