そして今日

 基本的に、朝4時に送られてくる原稿を校閲・校正する。そういうバイトを始めて3年目に突入している。もちろん毎日ではなく、月に10日前後だが、体内時計は「朝4時起床」にセットされてしまってるから、毎日、いったんは4時に起きてしまう。どの時間に寝ても、である。人のリズムって本当にすごい。

 こんなご時世で、生活のリズムは一変している。編集部に行くのも、週に1、2回ってところ。だから、疲れ方も全然違う。バイトのない日でも4時に起きてしまうが、その後は、30分おき、1時間おきといった具合に、小刻みに目覚めてしまう。

 これは年のせいなのかもしれない。「寝る」という行為には、体力も必要だそうだから。若いころのように、朝までノンストップで寝るなんてことは、もう5年くらいない。せいぜい、校了した日くらい。連日ほぼ徹夜の後ってやつ。

 そんな小刻みな睡眠のときに、だいたい夢は見るのである。「夢は数秒で見るもの」なんて聞いたこともあるから、それは決して不思議ではない。今朝も、明け方の寝直しのときに見た。

 自分を含めて男ふたり、女ふたり。2対2で、フランス料理のようなお店にいる。最初に出てきたのはサラダ。スプーンが付いてきた。

「なんかおかしいなぁ」と思いながらも、スプーンでサラダを取る。斜め向かいの女性を見ると、ナイフとフォークで食べている。隣の男はフォークで。

 次に出てきたのは縦長のチョコレートケーキ。おしゃれぶった店の雰囲気や、この合コンみたいなカタチの恥ずかしさに、居心地の悪さは最高潮に達していた。だから、ひたすら目の前のチョコケーキを突っつく。

 ふと見上げてみると、これはそれぞれに出されたものじゃなく、4人でひとつってやつであることに気づいた。やばい。ひとりで半分くらい食っちゃった。

 斜め向かいの女性は唖然としている。正面の女性(なぜか戸田菜穂さん)は、そんなことをまったく気にもせずに、にこやかに佇んでいる──というところで目覚めた。

 やっぱり、箸でかきこむ食事が性に合ってるって思ったのと、戸田菜穂さんは綺麗だなって思った、今朝の夢である。



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