【日記】オトモダチ/2023年6月7日(水)
※木内昇さんの作品は、どれを読んでもリズミカルで美しい。モヤっとした心内を、いつも晴れやかにしてもらっている
バイト探しと並行して、現在唯一のよすがである『ボクシング・ビート』原稿に本腰を入れねばならぬ時節を迎えた。
“もっていない”人間は、とことんついてない。図ったかのように隣の家の工事が今週からスタートした。まるでコントのようなタイミングである。
騒音にものすごく神経を要してくれている作業。それは痛いほど伝わってくる。が、限りなく無音に近い状態じゃないと集中できない性質のため、気にならないといったらウソになる。
でも……と、はたと考える。いや、これは“逃げ”なんじゃないか。本当に集中したら周りの一切は入ってこないのではないか、と。
現に年に1度か2度はそんな状態になるときがあったような気がする。食事もトイレもエロいこともすっかり忘れ、一心不乱に文字を打ちこむような日だ。
……って、そんなこんなを考えながらこの文字を打ちこんでいるまさに今、金づちの音もドリルの音も、いつの間にやらすっかりオトモダチになっていた。
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