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【日記】幸福/2023年1月1日(日)

 大田区総合体育館からの、10数年ぶりの『紅白歌合戦』視聴(部分的にだけど)で、様々な興奮が折り重なったのだろう。さらにはおそらく軽度の自律神経失調症に加え、数年来失っていた“欲”の急激な復活。そりゃあ、夜も眠れなくなる。
 読みかけの『追憶の夜想曲(ノクターン)』(中山七里、講談社文庫)がことのほかおもしろく、続きを読みたい欲がずっと湧いていたので、コンタクトレンズを外して裸眼で(これがいちばん読みやすい)文字を追い続けた。ちなみにコンタクト装着時はハズキルーペを使わないと文字は追えない。
「元旦やし、多少寝過ごしたってよかやろ」と思って朝方床についたものの、2時間あまりでパッチリと目が覚めた。夜も朝も寒かった気がする。体調のせいじゃなく、気温が。1月に入ったと同時にこうもハッキリと変わるもんかねと、妙な感動を覚えた。

 昨日のメインイベントと、“通”の間ではこっそりと「裏メイン」と呼ばれていた2試合の批評を書く。
 堤駿斗の試合は別の取材をしていて全然見られず。大湾硫斗は見たこともないようなポイント(80対69×3)で勝ったものの、特に前半はカウンターを狙いすぎるあまり、危険なタイミングがたくさんあった(ノックダウンがスリップ裁定となった幸運も)。距離を取り、気持ちを落ち着かせてリズムを取り戻したことが功を奏した。その後の詰めてからの連打はやや強引だったが、あの圧力ならば、多少合わされてももう効かなかった。

 去年の正月に挑戦してまあまあだったお雑煮、今年こそは塩抜きをちゃんとしたい数の子、そして熱燗……と行きたかったものの、そんな準備もしておらず、買い出しに行く気にもならなかった。とにかく「続きを読みたい」。
 弁護士が主人公の法廷もので、法律用語がたくさん出てきて、そこは“上っ面”だけを押さえて読み流す(法学部卒なのに…)が、ストーリーもさることながら、構成や豊富な知識、緻密な配色でぐいぐいと引っ張る。「中山さんスゲーよなー」っていつもながら感心しきりで一気に読み終えた。
 どんな職業でも、その道の“職人”は本当に尊敬してやまないのだが、小説家は仕事的にほんのわずかチップしているので、その凄さには特に毎度敬服する。いつも唸らされているが、『追憶の──』は名作だったなぁ。御子柴礼司、カッコよすぎる。すぐに感化される。
 そういえば、中山七里も岐阜出身。堀江敏幸も岐阜。「岐阜は天才型が多いのかねぇ」なんて、前々から感じてた。うちの長男も岐阜に4年間住んでるから、なんか注入されてないかなぁ。とんびの子はとんび、か。

 WOWOW版『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』は御子柴礼司を三上博史が演じ、青山真治監督が撮った映画のようなスケールだったが、実は民放連続ドラマ版もある。それが『悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~』(東海テレビ)で、御子柴を要潤が演じている。原作2冊目を読み終えたので、FODで第1話を観た。WOWOW版を意識しており、タイトルには入っているものの、その続編『追憶──』から始まる。
 三上もクールで御子柴に合っていたが、要潤はよりイメージに近い気がする。ただ、大映テレビ制作らしいムードもぷんぷん。原作を読んでから観るという順番を守ろうと思う。原作はあと2冊ある。

 先日見逃してしまった『検索ちゃんネタ祭り』同様、これまた毎年楽しみにしている『ドリーム東西ネタ合戦』(TBS)を観る。バカリズム、千鳥には毎回、腹が千切れそうになるほど笑わせてもらう。東京03、友近はホント職人技。人を笑わせるという“芸能”も、本当に素敵ですね。笑うという行為って幸せになります。
 この番組の前身『ザ・ドリームマッチ』、最高におもしろかった。コンビをシャッフルして、ネタ作りからやるなんて、今じゃ実現が難しいのだろうけど、あのスリル、たまらなかった。いちばん最初なんて、たしか現場でネタ作って何時間後かに披露してたよね。その後、期間を設けてやるようになったけど、ものすごいチャレンジだった。またやってほしいなぁ。

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