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【ボクシング】フランコへの挑戦権目指すWBA2位ラミレス。心技体に“粗さ”見せ、判定完勝も拙戦

☆2月23日(日本時間24日)/アメリカ・カリフォルニア州インディオ・ファンタジースプリングス&カジノ
WBAコンチネンタル・スーパーフライ級王座決定戦10回戦
○ジョン・ラミレス(アメリカ)WBA2位
●ルイス・パディージャ(メキシコ)
判定3-0(100対90、99対91、99対91)

 王者ジョシュア・フランコ(アメリカ)に対する指名挑戦権を、3位のヨドモンコン(タイ)と争うことが内定しているラミレス。その前の“肩慣らし”といきたいところだったろうが、思わぬ拙戦を演じてしまった。

 前戦で相手をロープ外に叩き出した映像が繰り返し流されるが、ラミレスは決して一撃で相手をなぎ倒すタイプではない。身体能力、反応を生かしたスピーディーな連打で、相手の目をついてこさせない。それが身上のスタイルだ。
 そして、初回から自信満々に中堅のパディージャに迫っていったのだが、長身(というよりラミレスが小さい)のメキシカンは、必ずリターンブローを返して軽いヒットを重ね、ラミレスの思惑を早々に潰してみせた。

 スピードと動きの多彩さで突き放したいラミレスは、左グローブで小さなフェイントを重ね、右ストレートを上下に伸ばす。細かいステップを左右に切ったり、サイドや後ろへ回り込んだりしながらパディージャ攻略の糸口を探す。だが、徹底してリターンにこだわったパディージャは、一所懸命に動きながら、ラミレスが単打攻めになれば右ストレート、左フックを返していった。

 試合開始直前、着ているガウンがうまく脱げなかったとき、インターバルでチーフトレーナーのジュリアン・チュアとのやりとりの際など、苛立つ姿を見せてしまったラミレス。そんな様子には精神的な青さが見てとれた。試合中も、集中力を欠いて見えるシーンが何度もあった。それは攻撃をしている際にも明白で、パディージャのリターンがいずれも浅かったから救われたものの、これが別の相手だったら、どうなっていたかわからないタイミングの連続だった。

 時折、フットワークを使ってリズムを取ろうとしてみせたものの、基本的には「リズムのなさがリズム」のボクシングに見えた。敢えてそうしているのかどうか定かではないが、リズムを消して、奇をてらったブローを差し込んで脅かすことを主としたスタイルである。
 メキシカンらしく、ボディワークを使い続けながら、隙を探ろうとしたパディージャに対し、ラミレスは駆け引きや組み立てがなく、自身のセンスのみで戦っている感じ。速さと荒々しさは脅威だが、心技体いずれも“粗さ”が目立ち、スーパーフライ級頂上決戦に臨むのはまだ早い選手と思えた。

《YouTube『Golden Boy Boxing』チャンネル・ライブ配信視聴》

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