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小さな物語。

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掌編・短編集。
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2018年11月の記事一覧

ついてくるもの

ついてくるもの

 夜道を歩いていると、ついてくるものがあった。
 街灯のしたで、私が立ち止まったら、ついてくるものの足音が聞こえなかった。消えたわけではない。もともと、足音というものがなかった。
 ふりむいたら、そこに少年が立っていた。驚くのはこっちのほうなのに、なぜだか少年も一緒に驚いた顔をした。しらない少年だったが、どこか、誰かの顔と似ているような気がした。
「ついてこないで」と私はつとめて不機嫌な声をだした

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水中花火

水中花火

 いつの間にか、私は水のものになってしまった。
 目を開けたら、見渡す世界ぜんぶが、青色に染まっていて、どうやら私はその一部になってしまったようだった。私は水のなかを泳いだ。手や足となる部分を動かすと、簡単に移動できた。ここはどこなのだろうか。川、湖、または海……。ゆるゆると移動を続けて、うろこのような光を浮かべている水面が上のほうに見えた。そこに船の舳先のようなものが見える。それが水面を滑り、ま

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