リリースから2ヶ月弱の「CASH」をDMMが70億で買収発表!CASHと経営者のこれまでを振り返る
朝からすごいニュースが流れてきました。写真をとるだけでアイテムを即座に現金化できるオンライン質屋サービス「CASH」の運営会社を、DMM.comが70億円で買収しました。
CASHの運営会社バンクが設立されて8ヶ月、サービスローンチからはまだ2ヶ月弱で大型の買収になりました。いやースタートアップ業界は夢がありますねー。今回は、改めてCASHというサービスや、創業者の光本勇介氏について振り返って見ようと思います。
2008年にブラケット設立
バンクの創業者である光本氏は、外資系企業に入社したあと、2008年に株式会社ブラケットを設立します。当初はカーシェアリングや靴のオーダーメイドサービスなどを手がけていました。
2012年9月に「Stores.jp」リリース
2012年9月に、最短2分でネットショップをつくれるサービス「Stores.jp」をリリース。他社サービスにはない手軽さが受け、現在では70万サイトに使われるまでに大ヒットします。
2013年7月にブラケットをスタートトゥデイに売却
Stores.jpのユーザー数が数万人にまでグロースした2013年7月に、ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイによってブラケットが買収されます。買収額は割り当て株式の時価で6.5億。サービスローンチからわずか10ヶ月でのスピードイグジットになりました。
2017年2月バンク設立、CASHはリリース直後から大きな話題に
2016年、ブラケットはスタートトゥデイからMBOという形で再度独立します。独立後の光本氏は、新たな取り組みとして、2017年2月に株式会社バンクを設立します。そして6月28日に買取アプリ「CASH」をリリースします。
CASHはアイテムの写真を取るだけで即座に査定が行われすぐにキャッシュが受け取れるという手軽さが受け、リリース直後から大きな話題を呼びます。サービスローンチからわずか16時間で7.2万回以上、3.6億円の「キャッシュ化」が行われ、2ヶ月に渡ってサービスを停止せざるを得ないほどの大盛況でした。
また、「CASHは実質的には貸金業なのではないか」「CASHの手数料は貸金業法の上限金利を超えており違法なのではないか」「実質的には質屋なので免許を取らなくてはいけないのでは」など、法律の面で大きな議論をわき起こしました。実際、現状の事業スキームだと法的にグレーな部分も残っています。
そして2017年11月にDMMによる買収
大きな議論を巻き起こしたCASHでしたが、11月21日にDMMによる買収が発表されました。正式リリースからわずか2ヶ月弱で70億の買収額となりましたが、このスピード感と規模感は日本のスタートアップ業界でも屈指のディールです。今後、DMMの傘下で法的にグレーな部分を解消したり、さらにサービス品質を洗練させることで、より一層CASHが成長することを期待しています。