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商社を辞め、フランスで起業した元駐在員 「自分らしい働き方」自らデザイン
※本記事は過去にビズリーチに掲載したもので、掲載当時の内容となります
5年間のフランス駐在を経て、現地で転職、起業をした安田佑輔さん。異国での決断には不安もありましたが、家庭での時間や仕事のやりがいなど、自分の求める働き方をまっすぐに追求し続けてきました。「失敗しても、その後うまくいけば『いい経験』になる」。そう話す安田さんのキャリアストーリーです。
安田 佑輔(やすだ ゆうすけ)
2006年、新卒で日本の商社に入社。2013年、フランス駐在を経て、2018年現地のオーディオメーカー「メトロノーム・テクノロジー社」に転職。2022年、現地で起業。39歳。
駐在中に現地で退職
「辞めます」 故郷の日本から遠く離れた、フランス・パリ。駐在員生活5年目で、安田佑輔さんは、当時勤めていた日本企業の上司にそう告げた。次の働き口は決まっていない。 当時35歳、妻とまだ2歳の子供もいたが、積年の無理がたたって体調を崩してしまった安田さんは、当時の働き方に限界を感じていた。 「家族との時間を取るためにも、働き方を変えよう」
転職するにあたって、帰国は考えなかった。一番の理由は、プライベートを優先したかったから。日本企業でまた同じような勤務体系だったら意味がなかった。
安田さんは関西の大学を卒業後、日本の商社で営業担当として働いていた。6年間の日本での勤務の間に会社の留学制度でフランスに1年間留学。その後、駐在員としてフランスにわたる。
日本では海外駐在を目標に朝から晩までがむしゃらに働いた。フランス駐在となっても、限られた人数で大きな仕事を抱え、育児にはあまり関われなかった。しかしフランスでは、プライベートを優先する人々を目の当たりにした。家族の用事を理由に出張といった仕事の予定をずらすことすらある。
「妻や生まれたばかりの子ども、そして自身のための時間をとりたい」。安田さんは自分に合った働き方のできる環境に身を置く決意を固めていた。