見出し画像

ビジネスモデル図解の読み解き方

こんにちは。
図解総研メンバーのチーズです🧀

今回は図解総研のサークル「ビジネスモデル図解」の中でつくった

milbon:iD

というビジネスモデルをモノ、カネ、情報の流れや関係性を表す「矢印」に着目して、ビジネスモデル図解の読み解き方をお伝えしたいと思います!


●ビジネスモデル図解  「milbon:iD」

画像5

●事例解説

ヘアケア用品で「ミルボン」と聞いてピンと来る人は普段からかなり美容に気を使っている方かもしれません。

ヘアケア用品は主に
・ドラッグストアやコンビニでも買える一般向け
・美容室でのみ取り扱いのあるプロ向け
の2種類があり、(株)ミルボンの取り扱う商品は後者にあたります。

今回紹介する「milbon:iD」は、簡単に言うと
これまで美容室でしか手に入らなかったミルボンのヘアケア化粧品を自宅から購入出来るECサイト
です。

これだけ聞くと、
「な〜んだ、単なる直販サイトか」
と思うかも知れませんが、「milbon:iD」には一般的な直販サイトには無いユニークな仕組みがあります。

今回はそのビジネスモデルのユニークさを図解を詳しく読み解きながらお伝えします。


・サービス利用の流れ

まずは図解中で番号の付いた矢印だけをピックアップしてみました。
この番号を順番に追う事で、このビジネスモデルの(今回の場合は利用者目線での)サービス利用の流れを知る事ができます。

画像5

矢印を順番通りに利用の流れを見ると、
・ミルボン商品を取り扱っている美容室を「1.利用」し、
・ヘアカウンセリングを受けた後にECサイトにログインする為の「2.サロンカード」を受け取り
・ECサイト上で「3.登録」することで
・美容室専用ヘアケア化粧品を「4.購入」
・自宅への「5.配送」をしてもらうことが出切る
という形になっています。

こうしたサービスの流れで利用者は新型コロナの影響などで外出が難しい中でも、インターネット上でミルボン商品を購入することができます。
また、「milbon:iD」は一般的な直販サイトと異なり、ECサイト上で買い物が出来る利用者が美容室利用客に限られていることがわかります。

一方、事業者視点では、サービスの利用にややハードルの高い仕組みを採用する事で、不正流通を防ぎ、利用者の髪質に本当に合った商品を提供することが出来る仕組みになっています。

★ビジネスモデル図解の読み解き方のポイント★
矢印に付いている番号は
そのビジネスモデルの流れの順番を表す

まずはそのビジネスモデルの基本的な流れを把握してみよう!


・カネの流れ

次はカネの流れを表す黄色の¥マーク付きの矢印の中から、このビジネスモデルの売上(利用者→事業者)のカネの流れだけをピックアップしてみました。

画像5

流れを順に追っていくと

美容室利用客→milbon:iD→美容室→代理店→株式会社ミルボン

という多くの関係者を介した流れになっている事がわかります。

この売上のカネの流れがこのビジネスモデルのユニークな点です。

一般的な直販サイトはサイト運営や商品発送コストがかかる代わりに、通常のサプライチェーンを介さない(≒中間マージンを無くす)ことで事業者は多くの売上を得ることが出来ます。

しかし「milbon:iD」の場合は直販モデルにも関わらず敢えて既存ビジネスの関係者にも利益が回るような仕組みになっています。
これにより、特に新型コロナの影響で売上が減っている美容室や代理店はミルボン商品を取り扱っていることでECサイトの運営や発送の手間を全くかけずに売上の恩恵を得ることができるのです。

冒頭でも説明した通り、株式会社ミルボンは美容室でのみ取り扱いのあるプロ仕様のヘアケア化粧品を製造するメーカー。
株式会社ミルボンの製品は美容室のプロ美容師が利用客1人1人に的確なカウンセリングを行い、処方することでその価値が最大限に引き出されます。
また、そうした製品の正しい活用方法を全国に25万店(コンビニ店舗数の4倍以上!)ある美容室に営業活動や講習で伝え、商品流通を担っているのが代理店です。

そうした代理店も含めて「美容室と共に繁栄する」というのが株式会社ミルボンの既存ビジネスモデル。
そうした既存ビジネスのパートナー(美容室&代理店)との関係性を大切にする姿勢が今回のmilbon:iDのカネの流れに非常によく現れているかと思います。

★ビジネスモデル図解の読み解き方のポイント★
黄色い¥マークの付いた矢印は
ビジネスモデル中のカネの流れを表す

誰が、どのようにお金を得て経済合理性が
成り立っているのかを押さえよう!


・情報の流れ①

このビジネスモデルでは単にカネとモノの流れだけでなく、既存のビジネスモデルにはない情報の流れを生み出しています。
大きく分けて2つの情報の活用方法があるので1つずつ解説します。

まずは情報の流れを表す青四角の付いた矢印の中で、美容室が活用することが出来る情報の流れをピックアップしてみました。

画像5

1つ目は利用者のECサイト上での購入情報を美容室が知ることができるという点です。

これによって利用客は新型コロナの影響などで通常よりも来店頻度が下がっても、次回の来店時にECサイト上でのヘアケア化粧品の購入頻度などから適切なアフターフォローを美容室で受けることが可能になります。


・情報の流れ②

次に情報の流れを表す矢印の中で、株式会社ミルボンが活用することが出来る情報の流れをピックアップしてみます。

画像5

2つ目の新たな情報の流れは、milbon:iDを運営することで、株式会社ミルボンにとっては今までは得られなかった最終ユーザーの購入情報や属性といった情報を新商品開発に活かす事が可能になる点です。

これにより、従来からの強みであるトップスタイリストのノウハウや技術を活かした商品開発力を更に高めることが出来るようになります。

実際のビジネスの中では「モノ」「カネ」に比べて「情報」は非常に多くやり取りがある要素です。
ビジネスモデル図解ではその数多くの情報のやり取りの中から、そのビジネスのキーとなるものや、新たな価値を生み出す源泉となるものを矢印で表現しています。

★ビジネスモデル図解の読み解き方のポイント★
青い四角マークの付いた矢印は
ビジネスモデル中の情報の流れを表す

情報の流れはどんな価値を
生み出しているのかに注目してみよう!


新型コロナの影響で様々な業界でビジネスモデルの変革を余儀なくされている中で今回紹介した「milbon:iD」の
既存ビジネスのパートナーを大切にし新たな情報やモノの流れを生み出す
ビジネスモデルがどう社会に受け入れられていくのか注目したいです。


今回はビジネスモデル図解を矢印に着目して読み解いてみました。
面白いビジネスモデルはシンプルな図解の中にも様々な流れや関係性で仕組みがうまく成り立っています。
そうしたビジネスモデルの面白さが伝われば幸いです!

図解担当: いごはち  

レビュー担当: チーズ 

記事作成担当:チーズ

(図解は2020年7月時点での企業HP、プレスリリース等を基に作成)


今回の「milbon:iD」のビジネスモデル図解を作成したいごはちさんのnote(今回の紹介したビジネスモデル図解も登場します!)👇


自分も「ビジネスモデル図解」をつくってみたい方はこちら👇


ビジネスモデル図解をどのようにつくってるか興味をもった方はこちら👇


もっと色んなビジネスモデル図解を見てみたい方はこちら👇


最後まで読んでいただいてありがとうございました!

気に入ったらSNSなどでシェアして頂けると嬉しいです!

いいなと思ったら応援しよう!

図解総研
最後までお読みいただきありがとうございます。サポートは「図解総研」の活動費として使わせていただきます!