売上UPの秘策「松竹梅の法則」
松竹梅の法則をご存知でしょうか? この法則は行動経済学の中では「極端の回避性」とも表現され、人は三段階の選択肢がある時、真ん中を選ぶ傾向にあるという法則です。
この法則が飲食店の経営に、どう影響を与えるのか? 売上UPに繋げるにはどう活用すべきなのかを考えていきましょう。
松竹梅の法則を知る!
松竹梅の法則についてもう少し勉強しましょう。
別名「極端の回避性」
松竹梅の法則は、行動経済学では「極端の回避性」と呼ばれています。なぜ人は真ん中を選んでしまうのでしょうか? ここには「成功の喜びよりも失敗の不安や悲しみの方が大きい」という心理が作用していると考えられています。価格が三段階の商品があった時に「高い商品を買って、失敗したくないという不安」と「安いものだと満足感得られないかもという不安」から、極端なものは回避して、高くもなく安くもない無難な真ん中を選んでしまうという心理です。
選ぶ比率はズバリ!
松2:竹5:梅3
と言われています。
実に半数の人が真ん中の選択肢を選ぶのです。
ゴルディロックス効果
松竹梅の法則は、ゴルディロックス効果と呼ばれることもあります。ゴルディロックスは海外の童話「3匹のくま」が元になっており、「人はちょうど良いものを選ぶ」という意味合いで使われます。厳密に言えば、松竹梅の法則とは少し違う印象もありますが、大きな意味ではゴルディロックス効果と松竹梅の法則は一緒と考えられています。
松竹梅の法則を飲食店で活かす
それでは、この松竹梅の法則をお店でどう取り入れることができるか考えてみましょう。
売りたいメニューを売るために
例えば、イタリアンのお店でお客様にワインをお勧めするケースを考えてみましょう。お店としては「4,000円のワインを選んで欲しい」、このような場合、お客様に4,000円のワインを選んでいただきやすくするために松竹梅の法則を活用します。
ワインリストか現物で、3,000円/4,000円/5,000円のワインを3本提示します。すると4,000円のワインは三段階の真ん中になるので、自然と選ばれやすくなるのです。もちろん100%ではありませんので、5,000円のワインが選ばれることもあります。余談ですが、見た目や内容がほぼ一緒でも、高価なものほど良い/価値があると感じてしまう現象を「ヴェブレン効果」と呼びます。
売上を上げるために
また、売上を上げる方法として松竹梅の法則を取り入れることもできます。
例えば、料理のコースで3,500円と5,000円の2つのコースがあるとしましょう。人は、二択の場合は安い方を選ぶ傾向にあります。この場合だと35,00円の方に注文が偏ります。
二択の場合・・・
安い方を選ぶ確率 = 約70%
と、言われています。
5,000円のコースを注文してもらうためには、さらに値段の高いコースを作れば良いのです。それは6,000円でも7,000円でも構いません。高額な料理コースを作ることにより5,000円のコースは真ん中に位置することになりました。これで、松竹梅の法則により5,000円のコースが選ばれやすくなり、結果、売上向上に繋がっていきます。
松竹梅の法則の良いところは、値上げをせずに客単価を上げることができることです。上記の例でも、高額な料理コースを作りましたが、元々ある3,500円と5,000円のコース内容や価格を変更した訳ではありません。ですので、お客様への負担もなく売上UPが見込めるのです。
今回は、ワインやコース料理で説明しましたが、ランチや夜のアラカルトメニューの価格設定にも使える法則です。売りたいメニューを軸に、それよりも高価なメニューと安価なメニューを用意するだけです。本来一番売りたいメニューを真ん中のラインに持ってくることにより、注文を集中させることができます。
まとめ
松竹梅の法則は、参考になったでしょうか?普段気づかずに、自然と無難な真ん中を選んでいた自分自身に気づいたかも知れませんね。このような心理テクニックは、街を見渡すと意外と多くの場所で利用されていることに気付かされます。
このような心理テクニックは、行動経済学としてマーケティングに活かされており、大勢人が集まるところに関心が集まる「バンドワゴン効果」や、帰りの挨拶が大きな印象を残す「ピークエンド効果」もあります。一見、飲食店に関係になさそうなことも、工夫次第ではお店にとって利用価値に繋がりますので、色々試してみてくださいね。
(Bizeats.jp 編集部 小寺正浩)
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がんばってイイ記事書きます^_^