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業態進化の事例①

★商品検査をし、足らずは補うという業態進化

品質の良い日本製のパーツにこだわった金属部品商社の事例です。円高の影響もあり、海外からの低価格の部品がどんどん入ってきてシェアを奪われてしまいました。そのため、経営状況は大変厳しく、債務超過に陥ってしまいました。

その中で、電化製品や機械製品を手がけるメーカーの発注担当者から、「日本製にこだわり売り込んでくるが、そうじゃない。日本製品が優れているのは当たり前。中国や韓国との熾烈な価格競争の中で、メイド・イン・ジャパンにこだわっている余裕はない。コストと納期をしっかりと管理して貢献してほしい」と言われてしまいました。

改めて顧客の目線で考えると、お客様の困り事はクオリティやデリバリーを満たすだけでなく、コストをどのように抑えるかということでした。顧客100%で考え抜いた結果、コストを考えると海外のサプライヤーに頼らざるを得ませんでした。しかし、海外製品には不良が多く、コストを優先したために品質のばらつきや納期の遅れを招くケースも少なくありませんでした。当時の海外製品に対する印象は悪く、粗悪な不良品が後を絶たない状況でした。

そこで、その会社は一念発起し、海外から商品を仕入れる一方で、お客様製品に対する品質精度を担保するために検査機器を特注し、自社で不良がないかチェックする品質管理体制を整備しました。また、万が一不良が発生しても国内の協力工場で不足分を補う体制を構築し、ライバルにはない低価格、高品質を実現しました。その結果、売上を増やし、債務超過を一掃することができました。

他社がしていない「商品検査をし、足らずは補うという業態進化」を成し遂げたため、成功しました。

こういった顧客目線での進化により、一気に売上を増やすことができるのです。

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