見出し画像

4. 経営計画の作り方:詳細 4−4 資料化

 最終ステップとして、ここまで検討してきた内容を経営計画書のような資料に落とし込みます。現実においては、ここまでの検討でもパワーポイントや他の資料作成ツールを使用することも多いため、多少のオーバーラップは避けられませんが、“パワポは最後”の原則に従い、資料への落とし込みは、できるだけ内容の検討を終えてからにしましょう。

 “読みやすく分かりやすい”計画資料を作るには、第一に読み手の視点に立つ事が重要です。読み手の興味や特徴を踏まえて、資料を作成する必要があります。ただし、読み手を問わない共通ポイントもありますので、一部について以下に示します。

  • 検討内容をそのまま記載しない
    検討してきた内容をそのまま資料にしても、読みやすい資料になるとは限りません。まず、検討内容を資料構成に沿って再構成することが大事です。また情報量が多すぎると、かえって重要なポイントが伝わらない場合があります。検討内容を“全部乗せ”するのは基本的にやめましょう。


  • まとめをつける
    計画資料の冒頭や最後に、経営計画の要点をまとめた“まとめ”もしくは“サマリー”をつけると、読み手が効率的に内容を理解する大きな助けとなります。


  • 根拠を記載する
    目標や戦略などの根拠はできるだけ資料内に示しましょう。経営計画において、この目標や戦略の根拠は重要な情報ですが、作り手は分かっているものの、読み手には分かり辛いという状況に陥りがちです。全てをこと細かに記述する必要はありませんが、資料を見ればなぜその目標や戦略であるかが分かるようにしておきましょう。


  • 図表を適切に使用する
    図表は適切に使用すれば、視覚に訴え、文章より効果的に情報を伝達できると言われています。必要に応じて、グラフや図を利用しましょう。


  • できる限りシンプルに
    できる限りシンプルな資料とすることを心がけましょう。文字が極端に多かったり、複雑な図表が多用されていると、読み手が理解できず本末転倒の結果となります。


  • 見直しを徹底する
    作成した資料は良く見直しましょう。作りっぱなしの資料には、必ず間違いがありますし、内容としても修正が必要な箇所が多いことが多いものです。特に数字に関する間違いは頻発する上に、致命的になるので注意が必要です。


 なお、資料作成に関するノウハウを扱った書籍も書店に沢山並んでいます。経営計画に特化せずとも、一般的な資料作成本も役に立つと思いますので、必要がある方は、気になった書籍を手にとって参考にしていただければと思います。

 計画資料が一通り完成したら、これまでのステップと同様に改めて検証を行いましょう。検証結果として問題なければ、経営計画策定ステップの完了、すなわち経営計画の完成となります。

いいなと思ったら応援しよう!