
セブ島で詐欺師から全財産盗られ、ホームレスになったら将来の不安がなくなった
俺が将来の不安がなくなったのは、セブ島で詐欺に遭い全財産失って、1ヶ月間ホームレスになった時。
— けいすけ (@kei_suke0318) June 18, 2019
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トランプ詐欺で全財産とiPhone盗られる
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やばい!死ぬ!日本帰れない!
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1ヶ月間のホームレス生活
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意外と人生なんとかなると気づく
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気づくきっかけをくれた詐欺師に感謝。 pic.twitter.com/zjfcuzFC1e
ちょっと前にこんなツイートをしたら、2万人近くの人に見られて自分の醜態をさらしてしまった。
今回は僕がこのトランプ詐欺にあった経緯について詳しく書いていこう。
大学の春休みに世界一周する前の予行演習みたいな感じで、
フィリピン留学1ヶ月→東南アジア一周1ヶ月することを決めた。
これはそのフィリピン留学1ヶ月間の2週目の週末に起こった出来事だ。
セブ留学1週目の週末
語学学校の友達を誘い、一緒にバジャウ族という民族に会いに行った。
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セブ留学2週目の週末 僕は全財産を失った
あれは、巨大ショッピングモールのSMモールで1人に行った時のことだ。
SMモールに入った瞬間にフィリピン人のおっちゃんに話かけられた。
おっちゃん :「すいません。いま何時?」
僕:「えーと、12時です」
おっちゃん:「ありがとう! てかあなた日本人?」
僕:「そうです」
おっちゃん「まじで! 娘が早稲田大学に通ってるよ! ほら、みてこの写真」
僕:「まじか! すげー!」
おっちゃん:「てか、昼ご飯食べた?家でご飯ご馳走するよ」
と、誘われて知らない人の家について行くのは危険っていうしなー。と思いながらも
『これが海外1人旅の出会いってヤツか!』
と思った、1人旅初心者の僕は誘われるがまま、ついていくことにした。
すると、SMモールでおっちゃんが電話し、おっちゃんの妻らしき人(以下、おばちゃん)と日本語が話せる女性(以下、通訳者)が合流。
タクシーに4人で乗り込み、車内ではひっきりなしに会話をしてきた。
「なんでセブに来たの?」
「これからクアラルンプール行くならここに行きなさい」
とか紙にメモされたり。
家(アジト)に到着
アジトの拠点がバレないように、ずーっと話かけらて景色をみる暇がなかったので、詳しく場所はわからないけど、山の方だった気がする。
家に到着して普通にみんなでお昼ご飯を食べた。
昼食後、リビングでテレビを見ていると、おっちゃんが話かけて来た。
おっちゃん:「けいすけ! カジノやったことあるか?」
僕:「ないよ!」
おっちゃん:「へー! 実は空港の近くのカジノでVIP客専門のディラーやってるよ!」
僕:「へー! すごいね!」
おっちゃん:「そうだろ? けいすけもやってみないか? プロの必勝法を教えてやるよ」
そういって、おっちゃんはトランプを出し、必勝法を教えてきた。
なんか、怪しいなと思ったけど、さすがプロの詐欺師。
考える時間を与えることもなく、どんどん話をしてきて会話に流され、とりあえず練習ということで、別室に移動してブラックジャックの必勝法レクチャーが始まった。
おっちゃん:「俺の後ろに立っている、おばちゃんがカードの数字をみている。おばちゃんが頷いたらカードを1枚ひけっていう意味で、首を横に振ったらカードはこれ以上引くなっていう意味だ」
僕:「へへ。すげーな」
おっちゃん:「そうだ。俺が勝たせてあげた客(僕)には後からチップとして、お金をもらうってわけだ。
だけど、この前にMr.ポーっていうマレーシア人の金持ちオヤジに勝たせてやったんだが、チップを払わずにマレーシアに帰りやがったんだよ。
今またセブにいるらしく、今日俺の家に来るんだ。
ブラックジャック好きのMr.ポーの事だから、絶対にブラックジャックやろうって言ってくる。
けいすけ! 今日はお前が勝負しろ! 掛け金は先に渡しておくよ」
と言われ、アメリカドルを渡された。
おっちゃん:「どうせ、勝つんだし問題ないだろ」
なんか少し嫌な感じだったけど、俺の金じゃないし、リスクもないということで、おっちゃんに流されてMr.ポーとブラックジャックをすることにした。
Mr.ポー 5秒で登場
なんと、Mr.ポーとの勝負を承諾した5秒後に、扉からMr.ポーが登場した。(たぶん、すでにリビングとかでお茶を飲みながら待機していたのだろう)
Mr.ポーの両指全てに金の指輪。
首には大量の金のネックレス。(全部偽物)
初めて、大富豪を目の当たりにして、完全にMr.ポーが金持ちだということを確信してしまった。
さすがの俺もMr.ポーの登場に「はやっ!!!」と思ったが、全身に金を身につけているMr.ポーを目の当たりにして、唖然としていた。
そして、特に何をいうこともなく勝負が始まった。
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勝負はこんな感じ。
留学2週目で全然英語が話せない僕の隣には、日本語は話せるフィリピン人の通訳が座った。
Mr.ポー以外の4人は打ち合わせ通りにゲームを進め、びっくりするくらい順調に僕が勝ってしまう。
すると、突然
おっちゃん:「これ以上の掛け金はさすがに高額だから、バックれないようにMr.ポーに手持ちのお金を見せないといけない」
僕:「え、お金は全然持ってないよ」
当たり前だ。
僕はそもそもSMモールにお昼ご飯を食べに来ただけだ。
おっちゃん:「まじか!それはやばい!このままだとけいすけの負けだ。
とりあえず、デポジットとしてiPhoneとGoProを預けよう。
けいすけ!クレジットカードはあるか?」
僕:「あ、あるよ」
おっちゃん:「じゃあ今からお金をおろしに行って、またここに戻って来よう」
こうして、僕たちは近くのモールにお金をおろしに行くことになった。
正直、引き出した額は覚えていない。
でも、たぶんアルバイトで貯めた東南アジア一周分の10万円くらいだと思う。
おばちゃん:「今日はもう遅いから、Mr.ポーが帰った!勝負の続きは明日にしよう!明日の朝にお金がある事証明する事になったからお金はとりあえず預かる!連絡とりあうために携帯買おう!」
こうして、僕のお金で自分用とおばちゃん用の携帯を購入して、語学学校までのタクシー代(僕のお金)をもらって、帰った。
たぶん、2つで1000円もいかなかったはず。
次の日…
おばちゃんが『授業後、語学学校に向かいに行くね』と約束するも、待ち合わせの時間10分ぐらい前になると、
『ごめん、急用が入った!また明日会おう!』
『Mr.ポーがクアラルンプールに帰ってしまった!来月またセブにくる』
などと言われ、こういったことが約2週間続いた。
語学留学最終日
結局一度も詐欺師達と再会することなく語学留学が終わり、東南アジア一周2ヶ国目マレーシアに行くためにセブの空港に向かった。
少しの希望を残して空港でおばちゃんと連絡を取りながら、突然なんかおかしいと悟った僕は恐る恐るググった。
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すると…
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や、やられた。
急に頭の中が真っ白になった。
フライト出発1時間前に自分の置かれてる状況を冷静に整理した。
・残金はほぼゼロ
・東南アジア一周の飛行機のチケットは全て買ってる
・2週間後にバイト代が振り込まれる
・クレジットカードで帰国のチケットは買える
・詐欺にあって日本に帰国したなんて親に言えない
詐欺にあった事が知れたら世界一周には100%反対される
これを踏まえて、
まず日本に帰ることは絶対にできない。
そして、せっかくの春休み残り1ヶ月は海外で過ごしたい。
チケットがあるから東南アジア一周はできるけど、お金がないし友達もいないから無理。
あっ!バジャウ族がセブにいる!
僕はホームレスになった
ホームレスとなりバジャウ族のデンジの家で居候生活3日目!
— けいすけ (@kei_suke0318) March 1, 2016
1日50ペソ(150円)で生活してる!
みんなめっちゃ優しい!
アイム ソー ハッピー pic.twitter.com/U3y6WOSoGQ
事情をバジャウ族の友達に説明すると、バジャウ族の家に居候させてもらえる事になった。
1ヶ月のホームレス生活中にいろんな非日常な経験をした。こんな感じのジプニーの中で寝たり。
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バジャウ族の集落に家を建てる手伝いをしたり。
バジャウ族の集落に居候生活27日目
— けいすけ (@kei_suke0318) March 25, 2016
2日前から引っ越ししてまだ未完成の家に住んでる!
居候生活で3つ目の家! pic.twitter.com/WD9HENDuHM
満点の星空の下で寝たり。
こんな綺麗な島でバジャウ族と一緒に満点の星空をみたり、無人島で魚獲ったり、ぼーっとしたり最高の1日🌴 pic.twitter.com/AxNfsFOFdp
— けいすけ (@kei_suke0318) September 21, 2016
無人島でご飯に夢中になってる間に船が流されてみんなで服を脱いでSOSしたり。
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朝から晩までトゥバ(ココナッツワイン)を飲んだり。
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いろんな面白い人にあったり。
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決して裕福とはいえないけど、毎日楽しく過ごしてるバジャウ族の人たち。
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こういった生活をしてるうちに
『失敗しても人生なんとかなるんだなぁ』
『なんかあっても死ぬことは、なかなかないんだなぁ』
と、思うようになった。
詐欺にあってホームレスになる前までは、
漠然と将来どうしようだったり、何か挑戦したい事があっても失敗したらどうしようと、一歩が中々踏み出せなかった。
だけど1ヶ月のホームレス生活を通して、
『失敗しても死にはしない』
『失敗も経験のうち』
『失敗したらまた成長できる』
と、思えるようになってからは、今までのような漠然と将来の不安を抱える事なく生きていけるようになった。
このバジャウ族との生活のおかげで、自分の今持っている時間を大切に僕は毎日生きてけるようになった。
そして、どんなことでも失敗を恐れずに一歩踏み出せるようになった。
ありがとう。気づくキッカケをくれた詐欺師達。