正座がつらくなったなら
「お稽古の間ずっと正座をなさっていますか」
ある時、お稽古の終わりに先生がお尋ねになった。
私がいつもお稽古の後にしばらくは立ち上がれないでいることを先生はご存じないはずだが。
苦笑いを浮かべながら「はい」と言うと、座椅子を使うか座布団やバスタオルをまるめてお尻と足の間に挟むという手もありますよと笑っておっしゃった。それに、慣れないことをして膝にきたら大変だから、無理せず足を崩してもよいとのことだった。
今住んでいる町で座椅子が手に入るかわからないが、バーベキュー用の折り畳み椅子ならあるだろうか。ちょっと、いや大分違う気がするが。しかし、座布団を挟むというのはどういうことだろうか。お尻が浮くと座高が高くなる気がするのだけれど、大丈夫なのだろうか。座布団がないので、さっき試しにクッションを半分に折って挟んでみたら、前に飛びはねそうになった。
もっとも、玄人の方たちは正座ができないなんてことはまずないらしい。長時間の正座でも、足を組み替えたり腰を浮かしたりすれば問題ないとおっしゃっていた。だから、地謡で長時間正座をしても、舞台が終わると何事もなかったかのようにすっと立ち上がり歩けるそうである。確かに皆さん、舞台を見ていると、表情を変えることなくすっと立って歩いていかれる。あれはかっこいい。
私もお稽古が終わった後、うんうん言わずにかっこよくさっと立ち上がれるようになりたいものである。
最近では2時間ぐらい正座ができるようになった。もれなくあせもがついてくるが、虫さされ用クリームで対応している。
そして、そのあせも対策のことはまだ聞けていない。
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