ミカエル・アース監督オンラインQ&A開催!インテリア、音楽、ファッション、映画…80年代カルチャー熱が込められた新作を“愛さずにいられない”!💞
『午前4時にパリの夜は明ける』がシネスイッチ銀座、新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほかにて絶賛上映中です。公開直後のSNSでは「本年度ベスト」「間違いなくミカエル・アースの最高作!」「心の穴を優しく埋めてくれる」「本当に夜が明けるような傑作」など、共感と絶賛の声が相次いでいる本作。
この度、公開を記念して4月27日(木)シネスイッチ銀座にてパリ在住のミカエル・アース監督とzoomを繋ぎ、オンラインでQ&Aを行いました!上映後の余韻で満たされる中、80年代に対する思い入れや撮影の裏話までたっぷりと質問にお答えただきました。
パリが一望できるアパルトマン、街並み、音楽、ファッション、俳優の話し方まで…!
80年代カルチャーに思い入れの深い監督のこだわりポイントとは
パリの自宅からオンライン登壇したミカエル・アース監督は「『アマンダと僕』(18)が好評でしたので今回も日本での公開を心待ちにしていました」を感謝の意を述べると、早速客席からは質問の手が挙がった。
『アマンダと僕』では疾走感溢れるシーンや、街路樹が風でなびく繊細なシーンなど瑞々しい印象の映画だったが、夜のシーンが多く、屋内での撮影が目立った本作について工夫した点を問われると、「舞台が80年代だったため、当時から街並みが変わっている現在のパリで撮影するのが難しく、屋外での撮影が難しかった」と裏話を披露しつつ、「エリザベートとその家族が住むアパルトマンは出演者の1人でしたね」と、本作に印象的に登場する角部屋が重要な役割を担っていると話した。
「“80年代”を描きたくてこの作品を作ったのか?」という質問に対しては「当時、私は子供時代を過ごしたので、この時代を撮りたいという思いで本作をつくりました。それが一番のインスピレーションになっています」と熱い想いを語った。
「街並みや服装・部屋の中の小物のみならず、登場人物達の話し方からも80年代らしさを感じたが、俳優たちにどういった演技指導をしたのか?」という質問に「仰る通り、話し方も当時と今とでは違います。タルラを演じたノエ・アビタは元々時代を感じさせない自然な話し方をしていたのであまり指導しませんでしたが、他の若い俳優には私が覚えている限りで当時の話し方をお伝えしました」と、鋭い質問に対して真摯に答えた。
『満月の夜』(84)、『北の橋』(81)の他にエリック・ロシャン監督『愛さずにいられない』(89)も登場…?!
散りばめられた80年代オマージュの数々に注目!
「エリック・ロメールの『満月の夜』(84)を象徴的に引用しているのは何故?」という質問に対しては、「ロメール、というよりパスカル・オジェに対するオマージュでした。彼女は若くして亡くなってしまったので出演作は決して多くないですが、『満月の夜』で彼 女が映っているシーンは全て個性に溢れていて、私はそれに感銘を受けたからです」と思いを語った。本作では物語の鍵を握る家出少女のタルラにパスカル・オジェのイメージが色濃く投影されている。
映画館で働き始めたタルラが何気なく話す「『愛さずにいられない』に愛はなかった」というセリフに着目し、エリック・ロシャン監督の作品ですか?という質問では、「まさにそうです。時代的には少し後になりますが当時への目くばせでタイトルを拝借しました」と、脚本の細かなこだわりを嬉しそうに語った。
美しい映像を撮る秘訣や、撮影のセバスチャン・ブシュマンとの仕事について問われると、「荒い粒子の映像が時代の感覚を伝えると考えているので、デジタルで撮った映像をフィルターで当時の質感に近づけています。また、あえて様々な画角の映像を入り混じらせることによって、80年代を表現することに勤めました」と本作の見どころである豊かな映像について語った。
最後に「自宅のリビングで書いた映画がこうして外国で公開され、理解されていることに大変感動しています。とても貴重な経験です、皆さん本当にありがとうございました」と観客に丁寧にお礼を述べたミカエル・アース監督のQ&Aは、盛大な拍手の中幕を閉じた。
監督・脚本:ミカエル・アース 『 アマンダと僕』)
出演:シャルロット・ゲンズブール、キト・レイヨン=リシュテル、
ノエ・アビタ 、 メーガン・ノータム、 エマニュエル・ベアール
2022年/フランス/カラー/111 分/R15/ビスタ/
原題: LES PASSAGERS DE LA NUIT
配給:ビターズ・エンド
© 2021 NORD OUEST FILMS ARTE FRANCE CINÉMA
シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほかにて絶賛上映中
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