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予告された殺人の記録とワニの話

カムチャツカの若者がきりんの夢を見ているとき100日後に死ぬことが約束されたワニが生み出され世界は未知のウイルスに怯えている。
生物はすべて死ぬ。予告された婚礼の朝だろうと100日後だろうと数十年後だろうと話のオチは変わらない。
死が怖いのではない。終わりが怖い。失われるのが怖い。しめ鯖の握りを前にして「食べたらなくなるなあ」と悲しくなった。食べたらなくなる。死んだらなくなる。鯖はすでに死んでいるというのに。
生きることは消費していくことだと思う。ワニが生まれてから死ぬまでの100日間でどれだけのものを上手に消費できただろう。何をしたところで予告された死からは逃れられない。眠るために閉じた目が二度と開かなくなるかもしれない。死なないように生きるよりも、いつ死んでもいいと思って生きたい。
今日であなたと会うのは最後かもしれない、いつだってそう思っている。

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