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手が届きそうな青


今週の一枚


どこまでも青い青空。青の王様、キングオブ青。


僕はある大都会の大会社に就職の面接のために行ったことがあるんだけど、その大都会の空は晴れなのに靄がかかってるような空で、とても僕の故郷の空とは似ても似つかない空だった。


そして、大都会の空はとても遠いんだ。


もちろん、標高の違いなのは分かってる。


でも、実際の距離以上に空を遠く感じた。


故郷の空は、手を伸ばせば届きそうなほどに青空を近く感じる。


どうして、大都会の空はあんなに遠くに感じるのだろう…


僕は面接の前日にその会社の寮に泊まらせてもらってたけど、前日にコンビニに食事を買いに行く段階で、


「ここには住めない…死んでしまう…」


こんな事を思ったのを覚えてる。


そして僕は面接の当日に、面接官から会社の志望動機を聞かれ、


「親が行けと言ったから、志望しました」


こんな超ド級の失礼発言をしたのちに、再度、面接官からこう聞かれた。


「君はこの会社でやる気はあるのか?」


僕は「やる気はありません」


と答えた。


まさに前代未聞、会社の社員募集に学校の代表として推薦してもらったのに、その大事な面接での、この答え…まさにデンジャラスボーイ……


この僕の受け答えによって、面接官は当然のごとく大激怒で、僕は1人、面接会場を追い出された。当然だ、その会社はまったく悪くない。


僕のような人間は大都会では暮らせなかっただけだ。


僕には今のこの故郷でしか昔から生きれなかったのだ。


それなのに、自分の力を過信して、故郷への恩を無かったものとし、両親の愛情にも砂をかけるようにして、僕は大都会よりは小さな街に飛び出していったのだ。


しかし、小さい時から不便な田舎が大嫌いで、この美しい空を見上げることすらなかった、この僕が、今では毎日のように故郷の空を見上げてる。


なんて、綺麗な青空なんだ。


みんなに見せたいな。


大嫌いだった故郷の青空が、今では自慢の青空になってる。



そんな青空を、みんなに自慢したい今週の一枚です。

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