【はちどり】94年の韓国を覗いてみよう
映画「はちどり」を鑑賞しました。
韓国の人にとってはきっと懐かしい、94年の韓国が舞台のとてもドラマチックな作品。
韓国映画界に新たなジャンルが加わったような予感。
なるべくネタバレせずに、映画をより楽しむための見どころを解説します!
はじめに
「はちどり」は2020年の韓国映画です。
「パラサイト」とも「新感染」とも「タクシー運転手」とも違う雰囲気の映画でした。
サスペンスでもなく、ホラーでもなく、涙を誘うような映画とも少し違う。
心に刺さりながらも、観た後は不思議な清涼感が心に広がる、そんな映画でした。
近年の映画ならば、「ドライブ・マイ・カー」に近かったかもしれません。
それでは、見どころや映画をより楽しむためのポイントを解説します。
主演は「パク・ジフ」
映画のポスターの主人公の少女「ウニ」を演じるのは、主演の「パク・ジフ」
とても素朴ながら、可憐な容姿で観る者を魅了します。
彼女はネットフリックスで話題となった学園ゾンビドラマ「今、私たちの学校は…」にも出演しています。
とても期待の新人です!健気な演技をぜひご堪能下さい♬
韓国では漢字を学習していた…?
「はちどり」の中では、漢文塾という塾に通うシーンが何度もあります。
ここで、先生から「漢文」を習います。日本でも中高生が習いますよね。大体あんな感じです。
しかし、韓国では70年代に「漢字廃止宣言」なるものが行われ、ハングルのみ学習するようになったそうなのですが…。
94年の韓国でも、アカデミックな教養としては、存在していたのでしょうか。ご存じの方がいたら教えてください!
韓国の漫画文化は長い
主人公ウニは漫画を描くのが大好き。
韓国の漫画文化は意外と歴史が深いです。
1948年には初のタブロイド版マンガ雑誌「マンガ行進」、49年には「マンガニュース」などが創刊されました。
1950年代から徐々に日本の漫画も読まれるようになり、1970年以降は「キャンディキャンディ」「ベルサイユのばら」などの少女漫画が人気を博します。
ほとんど日本と時間差がありませんね。
「はちどり」でも、はっきりとはわかりませんでしたが、「ベルサイユのばら」っぽい漫画本を主人公が読んでいたように見えました。
キム・イルソンの死
こちらはややデリケートな話題です。詳しくはブログで解説します!
普通の中学生との違いに苦しむ
主人公「ウニ」は、クラスで浮いた存在です。
韓国の映画では、このあたりの描写が、コミカルに描かれることが多いような気がします。
ユーモアや冗談抜きに、真正面から、周囲とのズレによる心の摩耗を描いた作品は、「はちどり」が初めてです。
よくよく考えると、この映画って、笑いゼロなんですよね…。
日本の岩井俊二的な、少しダウナーだけど、一筋の光を見出すような、そんな映画でした。
最後までお読みいただきありがとうございます!
長くて少し地味な作品ではありますが、本当に珍しいタイプの作品です。なんだかクセになりそうです。
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