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父のこと。(その2)

雨が降ると、気持ちが揺れる。

ソフィア・ローレンの映画、
「ひまわり」をDVDで観た、
あの、14才の夏休み。

「ひまわり」(原題:/Girasoli)は、マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンが主演した、1970年公開のイタリア・フランス・ソ連の合作映画。

最後のエンディングに、悲哀な思いながらも、
妙に納得しながら、涙が止まらなかった…。

幼少期から、“物事を俯瞰的に観てしまう性格”
あり、

『人間には、生きていれば、どうしても、
致し方無い理由により、方向転換を選択しなければならない時がある』

という諦めにも近い、教訓的な思いもあったかも知れない。
と、いうのも…

母が亡くなり、これからは、父と娘の2人で、頑張って生きて行こうと、あれだけ話していたのに、
その舌の根も乾かぬうちに、
父が別の女性と再婚をすると

言い出した時のことを思い出したから。

私は子供ながらも、必死に早く大人になろうとしていたと思う。母の代わりに、父を支えてあげなくては…

周りの大人に気を遣い、自分の父に気を遣い、
正直言って、“子供らしい子供時代を過ごせ無かった”
と言う負い目が、大人になっても、ずっとあった。

そんな父親が再婚した。

私に反対する権利があっただろうか?…

周りから、再婚を勧められたのもあっただろう。

まだ小学生になったばかりの私に、母親が必要だ
と思っただろう。

男ひとりで、2年間、子供の世話は大変だっただろう。

色んなことを、私は7才にして、理解していた。
(いや、理解しようと、自分に言い聞かせてた)

思い出してたら、びっくりするくらい、
気持ちが苦しくなったので、
『ああ、無理してたんだ…』と
今更ながら、ストンと胸に落ちた。

でも、遅れながらも、気付けて良かったと思う。

当時の自分を、しっかりと、両手で、
抱きしめた。

『頑張ったよ、辛かったよ…』


父を責める訳では無いけれど、

『お父さん、自分が一番、寂しくて、
耐えられなかったんだよね』
ということも。

ずるいなぁ。
亡くなってしまったら、
思い出すのは、
楽しかった記憶ばかりなんだから。

父の、ちょっと寂しそうで、はにかんだ笑顔が、
浮かんで、ちょっと笑えた。

(笑えれば、全て乗り越えていける)

映画「ひまわり」は、父が好きだった作品です。

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