体癖を超える
野口整体という言葉を聞いたことのある方もいらっしゃるかと思いますが、
『整体』という言葉はこの野口整体が語源となっています。
創始者は野口晴哉という人で
ボディワークの世界では【昭和の天才】と呼ばれています。
野口晴哉先生がカイロプラクティックやオステオパシーなどの療家達と共に様々な治療法から有益な技術をまとめたものが現在の整体操法の原型となっていますが、この野口整体には人体や感受性についての非常に高度な体系があり、
一般的に認知されている【整体=骨格を整える】 という限定的なイメージよりも
人間に対して全体的(包括的で統合的)な眼差しを持っています。
このような感受性研究によって生まれた 体癖論・活元運動・潜在意識教育論は
文部科学省(旧文部省)から社団法人として認可を受けた体育団体として1956年に設立された整体協会をはじめとして、内外共に独立されたお弟子さんたちによって再び多様に枝分かれして行き、現在でも沢山の先生方が独自に研究されています。
時を同じくして西洋では、1960年代に始まった人間性回復運動(ヒューマンポテンシャル運動)において、中心的役割を果たした世界的に有名なエサレン研究所があります。こちらも感受性訓練や心身相関性などオルタナティブな人間教育に取り組んだ共同体で1962年にカルフォルニアで設立されました。
現在ではボディーワークが中心のようですが、当時は東洋や西洋の哲学や宗教、代替療法、心理療法などの膨大な体系の研究がされていました。現在オンラインなどで盛んな自己啓発や心理セミナーなども少なからずエサレン研究所の影響を受けています。
私淑している吉福伸逸さんも(吉福さんについては後ほど記事にする予定です)
全盛期のエサレンへ熱心に通われていたそうです。
私心ですが、野口整体は【和製エサレン】とでもいうのか
この先駆けと言っても過言ではないと思っています。
さて、前置きが長くなりました。ここから本題です。
野口整体では体癖という概念がありますが、
この体癖とは体量配分計という特殊な計器を使うことで
【重心がどこにあるのか】を分類し
それに基づいた感受性・生理的傾向を12種にまとめたものです。
1・2 上下型 頸椎1番 頭脳 毀誉褒貶
3・4 左右型 腰椎2番 消化器 好き嫌い
5・6 前後型 腰椎5番 呼吸器 損得
7・8 捻れ型 腰椎3番 泌尿器 勝ち負け
9・10 開閉型 腰椎4番 生殖器 愛憎
11・12敏感・鈍感 ※特殊体癖
例えばわたしは10種(開型)なので、重心が足の小指側と踵にあって
骨盤が大きく開いているためしゃがむ事ができません。
(後ろに転がってしまいます(・_・;)
このように、脊椎の運動の癖によって体の形や動作が決まってくるのですが
物理的にも脊髄には自律神経が通っているので生理現象にダイレクトに影響し
それが性格傾向として現れます。
(例:身体が捻れなくなると排尿が困難になり頑固になる等)
野口晴哉先生は
自己の持っている型を使い込んで沢山失敗し、超えていけと説いています。
・奇数体癖は余剰エネルギーを主体的に発散する 外向
・偶数体癖は余剰エネルギーを主体的に発散しにくい 内向
・偶数体癖は非常に環境に左右されやすい
と言われています。
体癖は複合型として誰もが2〜3種類を持っていて
(顔は3種・身体は5種と7種など)
わたしの体癖は見事に全て偶数です
4種 『自分の感情がわからない』
8種 『負けたくない』
10種 『可哀想なものを放っておけない』
8種・10種あたりはようやく使いこなせるようになりつつありますが
(負けたくなくても固執しない・可哀想でも放っておける等)
4種の『自分の感情がわからない』には未だ難儀することが多くあります。
なにしろ時間がかかるのです……笑
わたしが指導を受けていた当時は取り上げられなかったのですが
自己分析では11種も持っていそうな気がしています。体癖には隠れていて見えにくいものもあって、実際にわたしに8種があることがわかったのも指導に通いはじめて数年経ってからでした。
なかなかに奥が深い体癖の世界。
手軽な文庫版の販売もありますが
野口先生の至極の言葉に触れるならば
装丁も美しい全生社さんでの購入がおすすめです。
余談ですが…….
使って超えていくのは
身体(遺伝)も
固着も
星も
皆同じですね。
今回も長い記事となりました!
最後まで読んでいただいてありがとうございます。