#31 口述試験
中小企業診断士資格試験の2次筆記試験に合格した私は、1週間後に行われる口述試験に向けて、2ヶ月ぶりに2次試験の問題を見返した。
口述試験は、現役診断士の先生方が試験官となり、面接試験が行われる。
試験官からは2次試験の事例を元に質問されるので、そこで「何か喋って帰ってこい」というものだ。「何か喋って」というのは、この試験で落ちる人はほとんどいない。合格率は99.9%と言われている。
じゃぁ、どんな人が落るのか?というと、
・試験を受けれなかった人(欠席、遅刻など)
・何も話せなかった人(判断のしようがない)
と言われているが、診断士としての素質をチェックしているらしい。
だから、面接でキレるような人とか、会話にならない人も落とされるようだ。
なので、普通に会話できれば良い。とはいうものの、事例について聞かれるので、内容を思い出しておかなくてはいけない。
口述試験中は、問題用紙などを見る事ができないので、「事例1の事業者は〜」って質問された時に、どんな事業者だったか、何が課題だったかなどがスッと思い出せるように、しっかり記憶しておく必要がある。また、時折、基礎知識のようなことも聞かれるとの噂もあったので、1次試験のテキストもザッと見返す。
2次試験から2ヶ月、すっかり堕落した生活に戻っていた私は、久しぶりに勉強モードに戻った。
問題を見返しながら、模範解答も参考にしつつ、各事例の事業者の特徴などを表にまとめた。また、設問に対してどう対応すべきか。なども含めて改めて考える。そうして、付け焼き刃的に準備をして口述試験に挑んだ。
試験会場は、大阪の海側にあるホテルだった。自分の試験時間に合わせて来場する。
日曜日の午後、このあたりでスーツを着ている人なんて少ないから、会場へ向かう途中、スーツの人とすれ違うと「あ、この人試験してきたのかな?」とかしょうも無い事を考えながら、会場に着いた。
会場の待合に通されると、広い空間には多くの人がいた。
こんなにいるんだ…
と思うと、この中で診断士としてやっていけるのだろうか?なんて、まだ合格した訳じゃないのに、そんな心配をしながら、自作メモを見返していた。
自分の番号が呼ばれ、案内の方が面接室まで連れていってくれた。
どんどん緊張してきて、ドアを明けた時、その緊張はマックスになった。
自分の名前を言うと声が裏返っていることに気づき、自分の緊張がひどいとわかって、さらに緊張して、顔が真っ赤になって、心臓が飛び出すかと思った。
試験官の方々は、とてもやさしく質問をしてくれていたが、自分の緊張がひどすぎて、正直何をどう答えたのか覚えていない。ただ、何かおかしな回答をしたようで、試験官の方々が顔を見合わせたあと、1人の方に「とはいえ、〜なこともありますよね?」と促してくれた。
それで、あ!!間違った!と思って、もうパニックだった。
そんなこんなで、ほんの10分程度の試験だが、どの試験よりも緊張して、帰り道はぐったりし過ぎて、正直タクシーで帰りたいぐらいだった。電車で帰ったけど。
とりあえず、「何か喋ってきましたー!」とお世話になった先生に報告をして家路についた。
2月1日、合格証書が届いたー
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