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ひとめもりだけ

ありとあらゆる人が消えて、しがみつきたさを表する態度だけで判断されるということに今日もまた辿り着く。何度もやっと辿り着く。

もう交わされない言葉、もう同じ方向を向かない視線、君には声をかけないということが全て、儚いということなんだと思う。だって、今日は線香花火をしてしまった。

握り潰したつもりがないのに潰れてしまう。加減を知るにはまだ足りないのか、もうこれで足りるのかまだ分からず、呼ばれる、応じられることを、ひとにぎり。

ひとめもりの思いつきだけで動くことがせめてもの私であり、何も無いよりは何かだった。どうなっても良かったけれど、秋になったね。かけた時間には背かれないというのも少しだけおとぎ話だったね。

生まれた場所で生きてこられた人に会い、よすがにしていた人たちに集まり、笑ったり、走ったり、踊ったり、もつれたり、いつまでも、いつまでも。
   

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