記事一覧
架空学生との対話②モノと実践
優秀な学生さんがシェルター<かなりや>に見学&体験に来たという想定での架空対話の第2回目です。①はこちら。 https://note.com/birdsareplaying/n/n6a0d0152d492 対話…
架空学生との対話②モノと実践
優秀な学生さんがシェルター<かなりや>に見学&体験に来たという想定での架空対話の第2回目です。①はこちら。
https://note.com/birdsareplaying/n/n6a0d0152d492
対話は③に続くことになりました。むぅ。
入所者:(共用洗濯機の前で)蓋しても水が出てこないんですぅ。
スタッフ:あーコレかぁ。たぶん蓋の接触不良だと思うんです。いつもこうなるんスか?
入所者
「ソーシャルワークの暗黙知」のほうへ
「いや高梨さん、何か独自のやり方があるんじゃないですか?」
「ごめんなさい、本当に、自分でもわからないの」
ウソではない。
でも、口にできなかった思いもあった。
――だって、記述の方法論がどこにも用意されてないじゃない。
――仮に私が言語化を試みたら、あなた、わかろうとしてくれる?
先日、認知症発症を「発見」された単身生活者の初期支援について問われたときのことである。どんな風にやって
無低批判と福祉オリエンタリズム
はじめに
無料低額宿泊所、通称「無低」。一般的には、住まいを喪失し、生活保護を申請した困窮者が利用するとされる、知る人ぞ知る施設である。ここ15年ほど、メディアや研究者、活動家から「貧困ビジネスの温床」と問題視されてきた。直近ではこんな記事がネットにあがっている。
記事によると、カーテンで仕切られただけの2段ベッド、定員10人の部屋を。利用料を払うと、毎月手元に残るのは4,000円未満。門
「実践」、「プラクティス」、そして希望
いまだに私は「社会福祉の常識」がわからないので困っている。何歳になっても私にとっては名古屋弁が母語であるように、社会福祉よりも文化人類学のほうが認知的な母語になってしまうのかもしれない。
いま少し困っているのは、「実践」という言葉の意味である。文化人類学や社会学では「実践」の指す2つのニュアンスが区別されてきたが、社会福祉で「実践」が語られるとき、どちらを指すのだろう?と戸惑うのだ。
実践と
あぶない<エビデンス・ベースド・X>
生活困窮者自立支援の事業では、毎月報告書の提出が義務づけられている。はぁ、面倒くさい。制度スタート前から厚労省は「全国一律の帳票」を使うと明言している。全国一律でデータを取りたいんだな、数字だけほしいのね、とは思っていた。
ところが先日、厚労省のデータ分析報告を見つけて少し固まった。
エビデンス・ベースド・ポリシー・メイキング。根拠に基づく政策策定。
そのために検証するのは「就労者数や増
現場とアカデミアの裂けめ
社会福祉の世界に入って15年ほどが経った。日々感じていることなどを、雑ではあるものの、記してみる。初noteである。ひゃあ。
社会福祉の世界では「実践と学問」の関係がしばしば問われる。2014年に国際ソーシャルワーカー連盟(International Federation of Social Workers :IFSW)が採択した「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」ではSWを「実践に基