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「死にぞこないの青」



死に損なってだらりと下がり続けている、
尖った爪先、錆び混じりの濁った露が数滴、ぽつりぽつりと頼りなく、
折れて微かにカーブする、背骨に張り付く肌は色なく、
咲いた日のこと憶えているから消えゆくことをまだ知らず、

晴れ渡って澄み渡る、空が青くあった日に、
彼が咲いたことはない、あくまで誰かの身代わりとして晒された、
しかしはそれが呼吸の在り処でもあった、
死に損なった花はいま、どうにか掴んだ手首が落ちる刻を待つ、

目覚めを何度、黄昏時の黄金さえも繰り返す、
その都度、血は赤茶ける、
溜まった水に映ったすべてが世界そのものたるように、
君の隣で微笑んでいる、愛する誰かの瞳の真円、
それは私たちが這いつくばっている、この星そのものたるように、

死にぞこなったからこそ青い、見上げる無闇に青い天、
砂時計を反転させたら振り返ることもない?
口笛鳴れば「どうでもいい」と自分を嗤え、薄汚い地に唾をするのは誰であろうことか自身の所為そのものなんだ、
死にぞこないの私たちならあらゆる美談並べど生ある間は孤独だろうよ、
捨てられたる雨曝し、折れた雨傘みたいなもんだ、
死にぞこないの青い想いがどこへ行くかなんぞ知らない、
期限の切れたものばかりを噛み砕いて飲み込んだ、
だからだろうか、汚れた雨さえ宝石みたいに見えるんだ、


photograph and words by billy.

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