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「グラディウス」

凍えながらも揺れては惑う心臓と、歩き疲れた靴の底、
トビウオ跳ねたら飛沫のアーチのなかに太陽、
リアリストに唾を吐き、ロマンティストをせせら笑う、
さらばだ真冬を選んだ花々よ、過ぎ去る地には「おやすみ」を、
振り向くのは消える前だけ、水平線はかすかに弧を描いてた、
そのとき某は、星が楕円形だと知った、

薄ら寒い枯れた草原、ミドリと褪せた金色に、
花持ち並ぶ白い葬送、氷上にて凍る頰、
頭上に旋回、鳥は群れ群れ、風に酔って風に舞う、
ペシミストは麦酒をあおり、サディストたちが泥を蹴る、
さらばだ真冬を選んだ花々よ、過ぎ去る地に「おやすみ」告げる、
振り返るさえ億劫だった、景は背中に流れて消えた、

聖域、地下鉄、海鳥たちの楽園よ、
オルガン、鐘の音、淋しがり屋の道化たち、
鹿の角でできた燭台、鉄を連ねた森の夜、
ラジカセ、残響、ゴールドラッシュの過ぎた街、
指笛鳴らして見上げる天には弾ける星が、

平和主義者と軍国主義者は遥か高みで見下ろしながら、
新たな共存を探るシナリオ描いてた、
黄昏れる神々は、滲む視界で地上を憂う、
赤い月にて終わりを告げる、
景色を揺らす指には蛇が、這い回って舌から涎を垂らしてやがる、
百年孤独に耐えた鍵盤、風を欲しがり地表を濡らす、
月の夜には旅の奏者が雨音にも似た叫び声を鳴らしてた、

photograph and words by billy.

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ビリー
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