「最果て」
最果てにて僕は問う、
地の終わりで君が訊く、
ここに咲いてる花の色は何色なのって、
嬉しいことに色はないから君が好きに塗ればいいって、
砂を掬ってこぼれてゆく粒々に、跳ねる光の滴を想う、
灰色の風景は、どこまでだって続いてしまいそうって君が、
美しいものを求めてしまう、それはほとんどないと気づいた、
愛や恋など幼子が抱くまぼろしだって、いつしか僕らは知ってしまう、
持たない者ほど焦がれちまうもの、既にそれを知った人なら、
見果てぬ景色へ胸が向かう、虚無の荒野へ走り出すよう、
最果てにまでたどり着けるか、あるいは其処は幻想か、
どうでもいいんだ、2秒前から過去になる、
ヒト科の子供を貪り食べた野犬の群れは夜の青い銃声を、
合図にして風になって消えてった、骨まで食って跡は何も残らなかった、
それを聞いた僕らはどうだ、明らかに極めてしまうべきだと君が、
最果てにて森は焼け落ち、月は昇るが漂白されたが如く色なく、
君は僕は言葉を失くしてそれを見上げて互いに肩を抱き寄せた、
最果てなの? そう僕が訊く、
そのほうが景色はきっと明らかだって、君が言う、
擦り剥いたる膝の赤みとそれに吹く風の、間が僕と僕以外を別け隔て、
目を閉じくちづけをしてくれている、そのことこそが君と僕をこの最果てにて繋ぎ合わせる、
photograph and words by billy.
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