【写真】アイ・ラブ・ユア・スロウライト
春の前の雨が嫌いだ。
死にたいと思いながら生きていたときの自分が目を覚ます。
こいつはなかなか消えてくれない。へばりつく影のようなもの。
#どこにでも住めるなら ?
氷河期の地球なんていいかもしれない。ライフルを担いで、生き残った動物を追うだろう。
自分らしさ、なんて。
そんな幻を追いかけてどうするんだろうって、俺は子供のときから知っていた。
誰にでも優しさを持ち寄れるほど、人は長く生きられない。
受け渡す感情を、選ぶんだ。
誠実さと謙虚さ。
人としての美徳はそのふたつだと思っている。その証拠に、一度、ついた嘘は死ぬまで誰にも明かさない。
シューラックに集まったNIKEを眺めて、それだけでハイボールが飲める。
なんてかっこいいんだろうって。複雑なんてろくなことがない。単純でいい。
ぶれない、なんて。
そんなのが好きなら、石像でも眺めてればいいんだ。揺れて惑う、それこそが人間。そうでないなら石像にでもなっちまいな。
その草原には椅子が一脚。金色の風が吹いて、背丈の高い草花が揺れている。
ひとりの少年は今日もそこでどこか遠く、未来を見ている。
学生のころ、西村良太という友達がいた。
文章表現の授業の課題の作文に「ツチノコと僕」というタイトルをつけておきながら、本文内で一切、ツチノコについて触れていない怪文を提出していた。そのとき、俺は、こんな天才には敵わないと悟った。
暑い日に熱い缶コーヒーを、寒い日に冷たい缶コーヒーを買ってしまったときの、無能な自分への多大な失望。
photograph and words by billy.
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