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「砂の瞬間」

一瞬は、どれくらいを積み重ねれば、
永遠にまで届くんだろう、
南から、きれいな水を含んだ風が、

吹き始めたら嬉しそうに犬は鳴く、

やがては散ると知るか知らぬか、
どこ吹く風に晒されて、

天上天下、青ざめたる虚空に揺れる、
気まぐれなる風に煽られ、
舗装路に落つ細く新しい、青い葉のような幼い心の僕のよう、
耳を塞いで声あげた、何も聞こえてこないよう、

盗品、鬱屈、枝垂れる雨よ、
皿の上にて死にゆく果実、
昨日の朝すら迎えられずに逝ってしまった優しさよ、
泥を濡らした雨を舐め、雨上がりには溢れる光、
眠れないから眠らないと眺めた窓には星一粒、

一瞬なんて集められずに永遠まで届くことなく消えゆくだろう、
それでもいいさ、仕方がないや、
僕らは人以外になれないって知るべきなんだ、




photograph and words by billy.

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