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「革命家は夢を売る」

街を飲み込んでゆく色は紅蓮、
悲鳴と怒号とざわめき立つ野次馬の声、

夜は地から照らされて、
踊る煙と宙に遊ぶ白い灰の向こうには月、

重ねた煉瓦の尖塔や、雨上がりの馬車の幌、
時計台なら倒れちまった、
午前か午後の
46時が此処の最期の時間だろう、

宣教師が逃げ出すのを見ていた少女は置き去られた聖書に火が点くのを待っていた、
「ねえアイヒマン、これから始まるのは新しい世界でしょう?」

革命家はいつも夢想で酒を呑む、
酩酊ながらに麗しい、

新世界の地図を描いて朝になれば再び逃げ出す用意にかかる、
テーブル上にはスプーン刺さったブラウン・プディング、

骨が折れた雨傘を手に、
焼け落ちゆく赤の街から影ごと姿を消す用意、

街路を走れば懸賞金のかけられた、
自分自身の肖像画、

風雨にさらされ随分年老いちまったみたい、
萎びたそれに火を点ける、

新たな赤を産み落としたならアイヒマンは革命家としてわずかながらも壊せる何かを探す旅を再開する、

革命家は夢を見る、革命家は夢を売る、
売れないから夢想に終わって世捨人が火を放つ、
革命家が夢を見て、革命家は夢を売る、
腑抜け共は着いて行けずに燃えゆく街をただ見てる、
アイヒマンは腑抜けたちが指をくわえて見ている様子を振り返りもしなかった、

photograph and words by billy.

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ビリー
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