「冬がくればいいのに」
俯くだけで溢れた毒を、
頬に溜め込み飲み込んだ、
路上に垂れた涎は微かに紅差し大きく息を吸ってはまた赤を吐く、
僕はきっと乗ってたよ、
それが砂の舟だと知ってても、
どこまでだって青い視界の隅には何故か、
滴が伝って泣いているんだと気づく、
僕はきっと乗ってたよ、
それが砂の舟だと知ってても、
どこまでだって青い視界の隅には何故か、
滴が伝って泣いているんだと気づく、
砂を噛んで土を飲む、
日々日々そんなことを続けてる、
どこを見れども陽は見えるがつかみ取れずに涎を垂らす、
飲み込みたる赤い土、
異物が喉をざらつき滑ってくのさ気分が悪い、
それから君が隣で吹いていた、
冬に吹いた風の口笛、どんな歌か忘れてしまった、
あのころ僕にはそれが福音だったはずなのに、
乾ききったアスファルトから冷たいにおいが立ち上る、
風が新たな季節を連れてくるんだ、
ロマンチストは泥を食い、リアリストはワインを飲んでる、
見慣れようとはするけれど、そんなの見たくもなかったさ、
冬の青はただそれだけで、
冬の青はただ見上げる、たったひとつ、
それだけで、それだけしか出来ないんだ、
それくらいしか、それくらいしか、
雨が降ればいいのに、
冬が来ればいいのに、
photograph and words by billy.
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