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「白い帆」

かつては純白だった帆も、
帰港すれば使い捨ての雑巾みたいに汚れてた、

打ち上げられた難破船から降りてきたのは奴隷か貧民、
かつての誇らしげたる航海者たちはそこにいない、

風を待つ帆のように、白い渚を振り返っていつまで見てた?
砂のように流れる時間は戻ってきてはくれないらしい、
どうでもいいと嘯いて、
どうしようかと首を垂れる、

吐き捨てちまった言の葉たちが、
腐りきれずに時間をただ待つ、

浅い眠りに続いた朝は輪郭さえ覚束ず、
発光する窓の外、再び目を閉じたくなった、
風は季節を着替える途中、ツバメたちなら南へ群れたと落ちてた花に告げられた、

美しい言の葉を、
編み上げようと鉛筆握って紙に向かう、

無言に月は湖へと落ち、岸には流れ着いた草の船、
白いサギの群れ群れは、夜を明かす営巣地へと戻る途中、
風を待つ白い帆が、青紫の夜へと染まる時間に今日も死を想う、

それから僕は生まれ変わる、昨日によくは似ているけれど、
今朝は生まれ変わった気分で目覚め、
夜には死にゆくもののように眠りに落ちて、

翌朝には生まれ変わる、
濃い青紫の夜を越えたら澄み渡る水の色の青が待つ、

そんな夜を繰り返した後、
君は僕は明日へ明日へと生まれ変わる、
いけるさ、朝まで死んだふり、
君は僕は昨日を忘れて生まれ変わる、
風を待つ白い帆のよう、
風を待つ白い帆のよう、

photograph and words by billy.

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