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「神の手は白い蛇」



空は澄み渡っている振りを、あくまで装うのは純白、

悲鳴に聞こえるトランペットや秒ごと草地に仕向けるオルガン、
夏には人の気配を盗み、冬には刻を奪いたもう、
夜にはそれを告げる鐘、仕事終わりが俯きそぞろに歩く路、
どうしてだろう、それは従順なる黒い葬列、
君にも僕も、そうとしか見えないのはなぜ、


孤独は君の隣にあって、重なり合う影は唯一、
あてもなくしてぶら下がる、見果ての視界はいつぞやの、
ネズミの囓った痕がある、まことしやかに囁かた、
星の終わりの地図が浮かんだ、

殉教者になれぬ私はいまこの土の匂いを探る、
雨の後の湿り気と、氷が始まる夜の連れよ、
嗚呼、手繰り寄せては集まる悲鳴、
誰も彼もが神を振り向かせようとしているようだ、
さらには微笑ませようとまで目論む様は無様に過ぎぬか滑稽か、
昨日の葬列には蛇が、巻きついては離れなかったと風が教える、

個々とは既に孤々となる、繋がるのは家畜としての綱が精々、
人畜無害な流行歌を口にする、其処にはもはや虚無すらない、

神がその手を伸ばすとき、人には其れが蛇に見える、
一筋の油が如く何にも溶けず蒸発もない、
沖に向けて流れるように伸びてゆく、
白い蛇は地上に差し伸べられたる神の手だった、

photograph and words by billy.

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