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龍神さまが引き寄せてくれた、「室生寺」の旅  前編 

noteを3日サボっておりました。
birdfilmの増田達彦です。

実は、親友にして盟友、M氏と、
地球生態系を支えるすべてのいのちの源、
水と、水の神様を訪ねて、
またまた、秘かな旅に出ておりました。

前回は、龍と、謎の瀬織津姫せおりつひめを訪ねる旅でした。


今回は、高野山と縁深いM氏の希望で、
女人高野にょんにんこうやで有名な、奈良県宇陀市の、
室生寺むろうじを訪れることにしました。


高野山と言えば日本の平安時代のスーパースター、
弘法大師さま(空海)が開いた真言宗の総本山。
日本の自然を知り尽くした弘法大師さまが行脚し、
そのお弟子さんが、わざわざこの山奥の寺を、
女人高野にょにんこうやとした室生寺むろうじには、
我々が探し求める「水」と「水の神様」に関する、
何らかのヒントが隠されてるに違いない。


何はともあれ、とにかく現地へ行ってみよう!
実際に五感で体感してみよう!

という我々のモットーを貫き、
先入観をできるだけ排除して、
その日、日本で一番暑い39.6℃を記録した紀伊半島へと、
一路向かったのであります。


入山受付

室生寺は、三重県境に近い、奈良県宇陀市の山深い森の中にあります。目の前を美しい室生川の清流が流れております。

午後3時ということもあり、入山受付を済ませて、早速境内へと心急ぐ我々でしたが、実はここで重大なモノを見落としていたことに、後で気づくのです。


午後3時ということもあってか、ほとんど参拝者もいない、
ニイニイゼミの声だけが静かに響く境内を急ぐ我々は、
迷いつつも、仁王門前にある寶物殿ほうもつでんを訪問。
これは大正解でした。
誰もいない静かな館内で、
平安前期作という国宝十一面観音菩薩立像
同じく平安前期作の国宝釈迦如来坐像など、
本来なら本堂や金堂、弥勒堂などに祀られていて、
近づけない国宝や重要文化財の仏さまのお姿を、
ごく間近でじっくりと堪能でき、大満足でした!

できることなら、目の前で座って瞑想したい、
とまで思った私でしたが、ここはじっと我慢。
仁王門をくぐり、いよいよ核心へ。


夏の青空に映えて美しい、室生寺仁王門


仁王門をくぐり、梵字をかたどった池を過ぎると、
鎧坂よろいざかと呼ばれる自然石の石段が待ち構えておりました。
春には両側にシャクナゲが咲き誇り、参拝者の目を楽しませてくれることでしょう。


鎧坂


・・・けっこう、長い石段です。
いや、これも室生寺を体感するありがたい石段です。



金堂


太股ふとももの筋肉に張りを感じる頃、
目の前に、柿葺こけらぶき寄棟造りの、
国宝、金堂が姿を現します。

木々の間から差し込む夏の夕方の斜光を浴び、
聞こえるのはニイニイゼミの声だけ。

堂内の国宝、中尊 釈迦如来立像をはじめ、
文殊菩薩立像、薬師如来立像など、
美しい仏様に見守られ、
何とも心静まる、美しい時間でした。


さらに、金堂のすぐ上には、室生寺の本堂が。

本堂(灌頂堂)

本堂に祀られているご本尊は、立膝姿も悩ましい、
重要文化財の如意輪観音にょいりんかんのんさま。
私の一番好きな観音さまでございます。

この室生寺の如意輪観音にょいりんかんのんさまは、
観心寺・神咒寺(かんのうじ)の如意輪観音とともに、
日本三如意輪の一つと称されていらっしゃるとか。
撮影禁止なのでそのお姿をお見せできないのが残念です。


そして、次は、法隆寺に次いで古いという、
室生寺のシンボル、国宝の五重塔へ。


法隆寺に次いで古いという五重塔


またまた、石段です。
けっこうな長さです。
でも、天武天皇の命で室生寺を建立したという、
修験道の祖、役行者えんのぎょうじゃにとっては、
こ~んな石段、ひとっ跳びだったのでしょう。
この程度でひるむ我々現代人が、軟弱者なのです。

ここで、石段を登る間に、みなさまには、
室生寺の簡単なご説明を、お寺のホームページより。

天武天皇の勅願により、修験道の祖である役(えん)の行者・小角(おづぬ)がこの地に初めて寺を建立したと伝えられています。奈良時代末に至り、後に桓武天皇となられた山部親王の延寿祈祷をきっかけに、興福寺の高僧・賢璟(けんけい)が勅命を受け、平安遷都まもなく弟子の修圓が堂塔伽藍を建立しました。後に空海の弟子で修圓とも親交の深い真泰が真言密教を携えて入山し、灌頂堂や御影堂等が整えられました。

室生寺のホームページより


国宝 五重塔


・・・汗だくです。
いや、森に囲まれて気温は涼しいんですよ。
きっと日頃の心のおりが、お寺の気に浄化され、
汗となって流れ落ちているのでございましょう💦。

屋外としては日本最小という、愛らしい五重塔。
しかも夕方の光に映え、何とも美しいじゃありませんか。


さて、せっかく女人高野の室生寺へ詣でるならば、
弘法大師、空海像を祀る御影堂みえいどうのある、
奥の院を参拝しなければ来た意味がありません。

その奥の院への道は、五重塔のすぐ横の石段・・・


奥の院への石段の入り口


これ、半端ない長さです。先が見えません。
でも、せっかく来たのです。行くしかありません。



奥の院への石段の途中


・・・腿が、ふくらはぎが・・・
まだ、道半ばです。頑張ります!


奥の院への石段 もうすぐ頂上


・・・ようやく、ようやく見えてきました!
室生寺の奥の院!もう少しです!
最後の力を振り絞ります。
すでに太股ふとももの筋肉は痙攣けいれんしています。


奥の院 御影堂


奥の院、御影堂です。
私もM氏も、くたくたです。
しかし、達成感も半端ありません。

ふと見ると、いままでほとんど人がいなかったのに、
賑やかなフランス語が聞こえてきます。
どうもフランス(語圏のどこか)からのファミリーです。
どこの国でも、子どもたちは疲れを知りません。



奥の院 常燈堂で休む外国の方々


そろそろ拝観時間の終わり(17時)も近づいたので、
また長い石段を下りていきます。
今度はひざに来ます。

達成感にひたりつつも、
何かが私たちを呼び止めているような気がします。
このまま帰ってはいけない。
ここに呼ばれた意味に気付きなさい!と。


そうです。
私たちは、地球生態系を支えるすべてのいのちの源、
水と、水の神様を訪ねて、室生寺へ来たのです。
そして、入り口まで戻った時、
私たちはトイレ前に張られていた
ある青い布に気付いたのです。


受付


「室生龍神の郷」!


そこには、室生龍神の郷、という文字が!
そうなのです。
そもそも高野山にご縁の深いM氏が、
この室生寺に行きたいといったきっかけは、
室生寺のホームページをひらいたら、
いきなり何の説明もなく、龍が現れて消え、
その後「女人高野 室生寺」の説明だったので、
なぜ龍なんだろう?というM氏の素朴な疑問も
動機の一つではありました。


そして、きちんとホームページを読んだり、
様々な情報を集めれば、
室生寺が「水の神の聖地」だと、
明確に書いてあったのです。

そして、私は地図を見て気づいたのです。
すぐ近くに「龍穴神社」なるものがおわしますことを。

しかし、すでに時間は17時。
夏の日没は遅いとはいえ、
山深い神社を訪ねるのにこの時間は遅すぎる!

ということで、龍と、水の聖地を訪ねる我々の旅は、
室生寺の木々の間から射す夕日の聖なる光に見送られ、
翌日へと続くのでありました。


我々を誘い、見送る、室生寺の聖なる光


文責:birdfilm   増田達彦

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