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旬を先取り!花わさびの楽しみ方をご紹介します。
私は、静岡県伊豆市湯ヶ島にあります「滝尻わさび園」でわさび農家の嫁をしております。
普段は、わさび漬けなどの加工品製造や広報を担当しているので、わさび田へ行く機会は、ほとんどありません。ただ、花わさびの時期だけ、わさび田に入ります。
「.花わさび」は、寒さが厳しい冬から春にかけて、わさびは子孫を残そうと小さな可憐な白い花を咲かせます。春先になると、わさび田は一面花盛りになります。(花芽がつかない品種もあります)
花わさびの旬は3月上旬〜4月下旬と言われておりますが、私が住む伊豆地域は、冬場も温暖なため、1月半ばから、ハウス栽培のわさび田や日当たりがよいわさび田には、花が咲き始めます。
「花わさび」が一番美味しい状態は、「花が咲く直前のつぼみの状態」。花わさびのつぼみは、爽やかな香りと辛味に加えて、シャキッとした歯ごたえが美味しく、その味わいを目当てにしているファンも多いのです。
逆に、花が開ききってしまうと風味が逃げてしまい、茎も太く硬くなります。気温が上昇すると、花が一斉に開いてしまうため、我が家の旬は、まだ寒い1月〜2月下旬までになります。
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昔から、年が明けると市場にも「花わさび」として出荷され、スーパーなどでも「花わさび」が売られています。
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もし花わさびをスーパーで見かけたたら手に取って欲しく、今回は、花わさびを使ったレシピをいくつかご紹介したいと思います。
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花わさびのアレンジレシピ
○花わさびのサラダ
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花わさびは生のままでも食べられます。ほろ苦さなありますが、オリーブオイルとの相性が良く、オリーブオイルと塩胡椒で味付けすれば、美味しくいただけます。
材料
花わさび 5〜6本(お好みで)
水菜 1〜2株
ブロッコリー 1/4株
ミニトマト 5個
生ハム、クリームチーズ お好みで
(A)エキストラバージンオリーブオイル 適量
(A)塩(できれば美味しいお塩を) 適量
(A)胡椒 少量
作り方
①花わさびと水菜をよく洗い、一口サイズに切る。
②ブロッコリーは小房に分けて3分ほど茹でる。
③ミニトマトは縦に4等分に切る。
④1〜3をお皿に盛り、お好みで生ハム、クリームチーズを盛り付け、(A)を合わせてかけて完成。
○花わさびのお浸し
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花わさびは、さっと湯に通せば、ほろ苦さは和らぎ、シャキッシャキッの歯ごたえと、辛味が楽しめます。
ただし、茹ですぎると辛みも香りも飛んでしまうので、注意してください。茎の柔らかい部分だけを使用し、茎の硬い部分は、三杯酢漬けなどにお使いください。
材料(3人前)
花わさび 50g
だし汁 1/4カップ(50cc)
薄口醤油(なければ濃口醤油) 小さじ2
鰹削り節 お好みで
作り方
①花わさびはよく洗い、2〜3㎝の長さに切る。
②鍋に水を沸かし、80℃程度(鍋の底に気泡ができ始めたら)火を止めて、花わさびをサッとくぐらせてザルにとる。
③厚手のキッチンペーパーにとって水気を絞り、ボウルに入れてすぐにぴったりとラップをし、冷蔵庫で3時間ほど冷やす。
(※すぐ作りたい場合は、湯にくぐらせたら、さらに流水にサッと通せば粗熱がとれます。水気をよく切るのをお忘れなく)
④だし汁と醤油を合わせて③に加えて和えれば完成。
⑤器に盛り、お好みで鰹削り節をのせて。
◯花わさびの天ぷら
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花わさびをサクサクの天ぷらに。なるべく葉先や柔らかい葉をお使いいただけると、サクサクの食感が楽しめます。すぐ焦げるので、さっと揚げてください。
材料
花わさび(葉先の部分) 20g
天ぷら粉 1カップ
冷水 160cc
揚げ油(米油など) 適量
塩 少量
作り方
①花わさびを洗い、葉先の柔らかいところだけを天ぷらに使い、茎は三杯酢漬けや醤油漬けに。
②キッチンペーパーで水気をよく切っておく。
③天ぷら粉に冷水を合わせて、衣を作る。
④揚げ油を180℃に熱し、②を③の衣をつけて揚げる。
⑤揚げたてに軽くお塩を振り、熱々をどうぞ。
○花わさびの三杯酢漬け
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花わさびの茎をあく抜きし、三杯酢に漬けました。シャキシャキの歯ごたえと「ピリッ」とした辛さが癖になります。
あく抜きまで同じ工程で、漬け液を、醤油3:みりん5にして煮切りをしたものに漬ければ、醤油漬けにもできます。
漬けてから2〜3日後が食べ頃。
清潔な容器で作れば3週間ほど楽しめます。
材料
花わさび 100g
塩 5g
(A)お酢 100cc
(A)砂糖 50g
(A)醤油 隠し味程度
作り方
①花わさびを洗い、茎を2〜3㎝の長さに切る。
②①の茎の重さに、5%の塩で揉み、30分〜1時間ほど置く。(塩で揉めば揉むほど辛味が出ます)
③(A)の調味料を小鍋に入れ、砂糖が溶けるまで温め、冷ます。
④60〜70℃の湯で茎を湯通しする。
⑤熱いうちに水気をよく切って、蓋のある容器に入れ、③の調味料で漬け込む。
もちろん、花瓶に挿して鑑賞用としても楽しめます。ツーンと鼻に抜ける爽やかな辛味とほろ苦さ、一度食べればクセになります。
ぜひ、旬の花わさびをお楽しみいただけたら幸いです。
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さいごに。
実は、花わさびは今まで「市場に出荷するもの」くらいにしか思えてなくて、実際、我が家の食卓で使うことはありませんでした。
ただ、こうして、レシピを作成するのに、使ってみると、美味しさに気付けたり、わさび田見学にお越しいただいた方におすすめすると、想像以上のリアクションをいただき、改めて花わさびの魅力に気づかされています。
また、最近和食の料理人さんに花わさびを提供したら、即席で調理してくださったのが、すごく見た目も華やかで、ピリッと効いた辛味が最高に美味しかったので、今回花わさびについて書いてみました。
少しでも旬を先取りする感覚で花わさび、使っていただけたら嬉しいです。
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