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飼育日記「めだかのきもち」⑤ヒメ♀の死

やって来た日に、あれ程元気で、弱った相棒を献身的に介抱したヒメ♀だったが、徐々に元気がなくなって、底に潜って上がってこないことが多くなり、やがて餌を食べる気力も無くしてしまった。

このひと月のうちに、元気が無くなって痩せ細り、死んでしまったメダカは他にもいる。気性の荒いメダカに追い回されて、餌も充分に食べられず、気付いて避難させた時には手遅れだったのだが、体の大きなヒメ♀が追い回されていたことはない。疎外感から閉じこもってしまったと見るのは考え過ぎだろうか。なんだか身につまされる。

小さな生き物が弱っていくのを見るのは辛い。こうした場合の養生の仕方がわからない。何も出来ないのでせめて最後まで見届けようと、隔離した水槽を室内に入れる。

朝、底に沈んでいたヒメ♀を引き上げて、水草に乗せて綺麗なナプキンに包み、母の遺影の前に置き、お線香を供える。こんなことをする自分をひと月前には想像もしなかった。                7.   12

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こんなに小さくて、毎日ハラハラワクワクさせられ、鉢を覗くたびにほっこりさせてくれた愛すべき存在だった。死なせてしまってゴメンね。どの段階でどうすれば救えたのか。まだまだ知らねばならないことが沢山ある。



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