精神科選びの極意……? ※うつ病患者の私見
うつ病治療では主治医との相性が大切
私はうつ病で2年以上、精神科に通院している。
これまでの人生で内科・整形外科・眼科・皮膚科などさまざまな診療科にお世話になってきたが、うつ病治療・精神科診療においては特に主治医との相性が大切だと感じている。
それは、精神科診療では主治医との対話(精神療法とよばれる)そのものも治療であるからだ。
中等症以上のうつ病では薬物療法(お薬による治療)も重要ではあるものの、精神療法は全てのうつ病患者に対して行われる基本的な治療なのである。
精神科の探し方
これまでに私は3か所の精神科クリニックでうつ病治療を受けてきた。
その経験からうつ病治療に適した医療機関の探し方について私見を述べる。
① 通いやすい場所にある医療機関を選ぶのが基本
第一に、自宅や勤務先などからなるべく通いやすい場所を選ぶことが重要だ。
精神科診療では長期間の通院が必要な場合が多い。
また、頻繁に通って体調に合わせてこまめに相談や薬の処方調整をしてもらうことが早期回復につながる。
私の場合、調子が悪い時期は週に1回、まあまあのときは2〜3週に1回、調子の良いときは月1回通院している。
不調な時でも通いやすい場所で精神科を探すことをお勧めする。
ただし人によっては、精神科に通院していることを近所の人や職場に知られたくないため、敢えて遠い場所にある医療機関を選ぶという考えもあるだろう。
② 医師の得意分野を調べよう
次にインターネットなどで医療機関を検索する場合にチェックすべきポイントについて述べる。
一口に精神科医といっても精神科にはうつ病のほか統合失調症、認知症などさまざまな疾患があり医師によって得意分野は異なる。
したがって、うつ病かもと思ったり、すでにうつ病の診断がおりたりしているのであれば、うつ病を得意とする医師を選ぶのが得策だ。
では医師の得意分野を知るにはどうすればよいか。
多くの医療機関ではwebサイトで医師が持っている資格や所属している学会について記載があるのでそれをチェックしてみよう。
よく記載のある資格や学会は下記の通り。
うつ病は精神疾患のなかでも人数の多いものなので、たいがいの精神科医なら診てくれるであろうし資格が全てではないが、一つのチェック項目としてはいかがだろうか。
③ 複数の医師がいる医療機関だと安心
精神科医には、患者に寄り添うタイプの先生もいれば、冷静に病気を診断・治療することに徹して患者から見れば冷たいように感じるだろうな、という先生もいる。どっちのタイプが合うかも患者によってそれぞれである。
インターネットのレビューなどで人柄をうかがい知ることはできても、合う合わないはやはり会ってみないとわからない。
またレビューは個人の主観が大きいのであまりあてにはならない。
どんな人柄の先生なのか心配。
そんな不安があるときにオススメなのが複数の精神科医がいるクリニックや病院を選ぶことだ。
そのような医療機関であれば、会ってみてやっぱりこの人とは合わないなと思ったときに主治医の交代をお願いすることができる。
転院となると紹介状が必要となるなどいろいろと手間もお金もかかる。
ぜひ医師の人数についても注目して医療機関を選んでみてほしい。
④ 医師以外のスタッフの充実した医療機関がオススメ
次に注目すべきは看護師やカウンセラー、心理士(公認心理師、臨床心理士)、精神保健福祉士などのスタッフだ。
精神科医は忙しく、悩み相談というよりは症状の聴取と処方薬の調整で手一杯なことが多い。
また、行政支援・福祉サービスについての情報に疎い医師もいる。
カウンセリングや福祉サービスを利用する場合に備えて、できればさまざまなスタッフがいる医療機関を選んでおきたい。
以上、うつ病治療におけるかかりつけ医療機関の選び方について私見を述べた。
繰り返しになるがうつ病治療にはこまめな通院が非常に大事であるので、自分にピッタリの医療機関と出会うことが寛解への近道だと考える。