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「考察」の正しい意味やイメージとは?似た言葉との違いを知って、卒論・修論を書くために必要な基礎知識を学ぼう

卒業論文(卒論)や修士論文(修論)で必須の「考察」。
 
論文の最も重要で根幹をなす部分です。
なので、評価に大きく影響します。
 
でも「考察」って、
似た言葉も多くて混乱してて、
書くのも一番難しくて、どうすれば良いか全然わからない、
という声を良く聞きます。
 
そんなあなたのために、今回は、
考察の意味や正しいイメージについて、
しっかりお伝えしています。
 
あせらず基本からじっくりと学んでみてくださいね。
 
意外と知られていませんが、
考察は基本を身につければパターン化できます。
 
サクッと書けて、高評価がもらえる考察が書けるようになる
第一歩を踏み出しましょう。

「考察」とは?その意味と目的、持っておいてほしいイメージを解説


「考察」について、正しく理解している人は、
実はかなり少ないんです。

それは当然です。
教わったことがない人がほとんどなので、
あなたのせいではありません

私も学生の頃は全く書けなかったので
それがむしろ当たり前だと思います。
 
書けない解決策の1つとして、
考察の意味を正しく知るところから始めましょう。
 
まずあなたの思い込みや誤解を解くために、
「考察」の意味や目的、正しいイメージからお伝えしますね。

◯「考察」の意味は、「結果から結論を導くプロセス」


考察とは、
「考えて察する」ではありません。
その理由を説明しますね。
 
考察とは、
結果から結論を導く過程のことです。
 
大事なのは、結論を導く過程を論理的に示すことです。
 
数学の証明問題を思い出してもらえれば、
理解しやすいかもしれません。
問が与えられていて、正解までの過程を
数式や定理などを用いて示す、あれです。
 
途中の過程を書いてないと、
答えが合っていても点はもらえませんよね。
その点は論文も同じです。
 
論文の場合は、数式や定理の部分にデータや文献も加わります。
これが「根拠」です。

◯考察をする目的


卒論や修論で考察をする目的は2つあります。
1つ目は、結論を導き、それを読者に納得してもらうこと。
これは論文一般の考察の目的です。

見ず知らずの人に「これが正解だ」と言われても
納得できませんよね。
だから根拠が必要になるんです。

もう1つは、論理的な文章を書けるようになること。
これは大学の教育として、卒論や修論で論理的に考えて、相手に伝えるトレーニングをするためです。

◯考察の正しい2つのイメージ


考察するにあたって、持ってもらいたいイメージがあります。

1.「考察」はDiscussionであり、Considerationではない理由


考察を言い換えると「議論」です。
つまり、何かのテーマ(議題)があって、
それを複数の人たちで議論しながら
結論を出すのがDiscussion、つまり考察です。
 
みんなで議論しているイメージを持っておいてください。
 
一方、Considerationは、
熟慮する」などの意味があります。
良く考えることに重点が置かれます。
 
つまり、結論を出すかどうかは関係がないのです。

考察のイメージ1

論文の「考察」は
「結果から結論を導くプロセス」
でしたよね。
 
なので、考察はDiscussionであり、Considerationではありません。
※辞書には考察=Considerationと書かれているものがありますが、少なくとも学術誌などでこの意味で考察やConsiderationを使っている場面を見たことがありません。もしあれば、教えてください。
 
この説明からも
考察は「考えて察する」のではないことを理解してもらえたと思います。
 
なので、考察と呼ばずに「議論」と呼ぶ研究者もいます。
この方が意味として正しく、勘違いが起こりにくいですね。
 

2.「考察」はDiscussionであり、Discussionsではない理由


Discussionを辞書で調べてみてください。
不可算名詞、つまり数えられない名詞であり、
複数形のDiscussionsでは使わないということがわかります。
 
考察は
「議論しながら結論を出す」イメージ
でしたね。
 
結論を出すためにする議論全体を指す言葉なので、
複数形にはならないんです。
「〇〇をテーマにした議論」は1つですから。

考察のイメージ

よくあるのが、
結果1に対して考察1
結果2に対して考察2
・・・
のように、結果それぞれに考察が書かれているもの。
 
結論を導くために総合的に議論をするのが考察なので、これは正しくないということですね。
 
あなたの結果や、文献などのデータや知見を根拠にして、
総合的に考慮して結論を導くのが正しい考察(Discussion)です。

◯「考察」と「感想」、「結果」、「結論」、「まとめ」との違い


考察に似た言葉との違いも簡単に説明しておきます。
 
感想:著者の主観であり、根拠や論理性はなくても良い。
 
結果:データを読み取ったもの。他の結果や文献の影響は受けない。
 
結論:根拠を持って論理的に導かれた事柄。(一般社会では、根拠も論理性もなく出来レースで結論が出ることはありますが、論文ではどちらも必要です)
論文では、「結論」の項目がない場合もありますが、その場合は考察の最後に書くのが一般的です。
 
まとめ:読者の理解の確認と記憶の定着のために、重要ポイントを抽出したもの。「おわりに」となっている論文もあります。

まとめ


この記事では、論文の根幹である「考察」について、
その意味や正しいイメージを持ってもらえるように、
基本的な部分を解説しました。
 
この記事を読んだ今、
あなたの「考察」へのイメージはどのように変わったでしょうか?
 
考えて察するのではなく、
議論して結論を導くイメージが
持てていればOKです。
 
そして、似た言葉との違いがわかるようになったのではないでしょうか。

より具体的に学びたい方へ

もっと詳しく知りたい方は
こちらの記事も読んでみてください。

考察を書くための3ステップを解説しています。


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