アプリ起動中にスクリーンショットを撮ると・・? |中国アプリから学ぶ「ユーザー接点」のつくり方
ビントウ(@bing_tou)です。
中国のアプリにはユーザーのスクリーンショットを検知してユーザーが次に起こしそうな行動を表示する機能があったりするのですが、、私はこの機能を使う度に「気持ちのいいユーザー体験」ってこういうことかとグッときます。
そんな感動も踏まえ、今回は以下の2点についてまとめてみたいと思います。
⑴ ユーザーがスクリーンショットを撮る=必ず目的がある
⑵ ユーザーの目的を汲み取って機能に落とし込む中国アプリの事例
「スクリーンショットを撮る」という行為は非常に日常的でありながらも、意味を見出してサービスに組み込むという視点は私自身すっぽり抜けていました。
1)ユーザーがスクリーンショットを撮る目的
スクリーンショットを撮る場面は多々ありますが、ざっと考えてみた目的は以下です。
・あとで活用したい(見返したい、保存したい etc)
・ 誰かにシェアしたい(どっちが良い?、オススメ、ネタ、報告 etc)
私もよくスクリーンショットを撮りますが、大体の場合「あとから見返したい」「誰かに見せたい」といった目的がセットになっています。
どちらにせよ、「ビジュアル」と「情報」の両方を何らかの理由で利用したい背景があります。
とは言え、スクリーンショットを撮ってどう活用するかはユーザー自らの次のアクションに委ねられているのことが殆どなのでアクションを後回しにされるとそのまま存在自体を忘却されることもあるのではないでしょうか。(私はあります、ゴミのようなスクショの山が・・)
2)ユーザーの目的を汲み取って機能に落とし込む中国アプリの事例(スクショ検知→即アクション)
早速、中国アプリの実例を紹介したいと思います。
■タオバオ
ユーザーのスクリーンショットを検知すると、2つのメニューが出現します。
・友達にシェアする
・問題を報告する
友達にシェアをする場合は「Wechat」、「ショートメッセージ」への導線が表示され、問題を報告する場合は「チャットボット(阿里小蜜)」、もしくは「報告画面(问题反馈)」へと誘導されます。
■JD(京東)
こちらもタオバオと同じようにシェアと問題報告の2つが表示され、商品ページでスクリーンショットを撮った場合は「類似商品を探す」メニューも追加で表示されます。
ちなみにJDでスクリーンショットをシェアする場合は「Wechat」「モーメンツ」「QQ」の3種類の導線が出現します。
このように、どちらのサービスもスクリーンショットを検知することでユーザーとの接点を作っており、ユーザーの目的(タスク)を「シェア」と「問題報告」の2つに分類しています。
こうすることでユーザーの目的(タスク)をその場で完了することができ、目的達成までのステップが与えるストレスを無くし、タスク自体の忘却を防止しています。
そして、バグやクラッシュはアプリの死活問題と言っても過言ではないので、ユーザーがその場ですぐに申告できる機能は運営側にとっても素晴しい仕組みです。
ースクリーンショット検知ではないが、気持ちのいいシェア体験を作っている例
■XIAOMI
スクリーンショットの検知ではないですが、シェア導線が画面上部の目につきやすい場所にあり、押すとOS標準ではなく独自仕様のシェア画面が表示されます。
その中でも「シェア用画像を生成する」機能では、必要十分な情報のみが配置された画像が生成されます。
また、画像の中には商品ページのリンク情報が含まれるQRコードまで付いてきます。
このシェア用画像のすごいところは、スクリーンショットの弱点である情報の少なさ(画像だけじゃ分からない・・)、ノイズが入る(例: Amazonのヘッダー直下に表示される住所)とURLの弱点であるそもそも開かれない問題(何のリンクですかコレ?)をカバーしているところです。
これは「QRコードを長押しすればリンクにアクセスできる」というWechatの標準機能が多くの人に浸透している部分も大きいと思います。
LINEのQRコードリーダーにも「ライブラリから読み込む」という機能がありますが、QRコードを一度ライブラリに保存する時点で面倒くさいです。メッセージのやり取りの中でシームレスに読み込みが行えるようになれば、中国のようにQRコードの利用価値がかなり底上げされると思うのですが・・LINEさんお願いします!
3)私たちが学べること
スクショ検知→メニュー→シェアOR報告という一連の流れを一気に適用したいところですが、今回の事例からまず一番学ぶべきはユーザーの行為から目的を汲み取る考え方だと思います。
ワーク:自分のサービスを使うユーザーがスクリーンショットを撮るケース、状況、目的を洗い出す(盲点を潰す)
その上で、
・シェアボタンの位置を最適化する
・シェアメニューをOS標準からアップデートする
といったユーザーのタスクありきの機能を作ることで、気持ちの良いユーザー体験を生み出すという流れができると考えます。
※この辺りの実装難易度などは開発者の方のご意見もぜひお聞きしたいです。
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。
最後まで読んでいただきありがとうございます!!!!いい一日になりますように!