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未成年者取消権ってなあに ~未成年者を守る防波堤~
未成年者取消権とは
皆さんは未成年者取消権って知っていますか?
未成年者がスマホを契約するとき「法定代理人(親権者)同意書」が必要になりますよね。
最近は、旅行でもホテルでも「保護者同意書」の提出を求められることもあるでしょう。
「まだ子どもだから、親の同意が必要なんだろう」とあんまり気にしない人も多いと思います。
実は民法では、未成年者が法定代理人の同意なく契約した場合は、契約の取り消しができる、と書いてあります。
つまり、親の同意がない契約は後から取り消す(=なかった)ことができるのです。
しかも、難しい手続きもなく、年齢を証明するだけで簡単にできるのです。
ただし、お小遣いの範囲内などの少額の契約や、「成人である」「親の同意を得ている」などとウソをついた場合は取り消しができません。
悪質商法から未成年者を守る防波堤
未成年者には、未成年者取消権があることで、そもそも悪質業者の多くは未成年者に寄ってこないのです。
それはそうですよね、
やっとのことで(だまして)契約しても、未成年者取消権を使えば、簡単に取り消しができてしまうのですから。
つまり、未成年者取消権は若者を守る防波堤なのです。
防波堤がなくなったらどうなる?
18歳になると成年になり、一人で契約ができるようになります。親の同意書は必要ありません。一人で借金もできるようになります。
そこで、成年になって間もない若者が悪質業者のターゲットになってしまう可能性が高いのです。
現に、国民生活センターに寄せられた相談件数をみると、18歳.19歳の若者から、「美(び)」(「脱毛エステ」「医療サービス」など)や「金(かね)」(「他の内職・副業」「金融コンサルティング」など)に関する相談が多く寄せられているということです。
契約は慎重に
18歳になった方は、特に契約は慎重にしましょう。口約束だけでも契約は成り立ちますから。