毎年聞いてくるアレの話
誕生日が近くなってくると周りの人はこう聞いてくる
何が欲しい?
私はいつもこう答える
なんでもいいよ
すると周りの人(まわりんちゅ)はこう言う
えー、なんでもいいじゃ分からないよ〜
私(きかれんちゅ)は思う
本当に欲しいものなんて言えるわけないじゃん
だって高いじゃん(たかんちゅ)
安くて欲しいもの(やすんちゅ)なんてとっくに自分で買ってしまっている
欲しいもの、欲しいもの、(さがしちゅう)
ひらめいた(きらりんちょ)、
無くなりかけのアイライナーやリップが欲しい
いや違う(ちがんちゅ)
買ってもらうんじゃない、贈ってもらうんだろう
贈ってもらうものにいつも買うものってナンダカナア(なんだかなあ)
いやまず、贈り物をこちら側に聞いてくるのも中々だと思う
そうか、わかったぞ(わかりんちょ)
はい!!!と言いたげな表情で私(きかれんちゅ)は答えた
網戸が欲しい
周りの人(まわりんちょ)はびっくりしそうな顔をして聞いてきた
なんで?どうして?
ジブリの女の子ってこんな感じなんだろうなあと思った
私(きかれんちゅ)は答えた
今家には共同用の網戸しかないんです
プライベート用の網戸が欲しい
なんなら観賞用の網戸が欲しい
なんなら網戸に乗って空を飛びたい
なんなら網戸を盾に大切な人を守りたい
なんなら網戸を作りたい
なんなら網戸になりたい
全てを真剣に聞いてくれた周りの人(まわりんちゅ)に一度お辞儀をした
周りの人(まわりんちゅ)は静かに答えた
きもりんちょ
その後にもう一言、言い捨てて帰っていった
私はよく聞き取れなかったので白い手紙に書いて送った
すみません、聞き取れませんでした、教えてください
すると1日後黒い手紙が家に届いた
すみません、食べちゃったので内容が分からなかったです、教えてください
私は怒った
なんで食べちゃうんだ、
昨日最後に言ってた言葉が聞き取れなかったので、教えてください
白い手紙に書いて送った
するとまた1日後黒い手紙が届いた
すみません、手紙を見ると食べるくせがあって…
でも今回はちゃんと読みました、この間最後に言った言葉は
なんなら、をずっと聞いていると、が
ここで食べられていた
なんてことをしてくれたんだ
続きが気になってしょうがない
私はいてもたってもすわってもいられなくなって黒ヤギの家に向かった
なんで食べるんだ!!早く続きを教えてくれ!!!
黒ヤギの家の庭に周り、庭から戸を叩きながら叫んだ
ガラガラガラッッッ
勢いよく戸が開いて黒ヤギが飛び出してきた
ああ、あれはお兄さんだった
出てこい!教えてくれ!黒ヤギ!!
叫んだ
すると、中から黒ヤギが出てきた
黒ヤギは言った
なんなら、をずっと聞いていると、ガンダーラって聞こえました
そう言いながら黒ヤギは
網戸で空へ飛んで行った
私はこう思った
きもりんちょ
(おわりんちょ)