対外的な評価につながるもの
勤務医をしていると、学会発表をする機会が多い。特に専攻医の時には年に数回やることもある。
若い時に、学会発表を嫌がる先生も多い(正直にいうと自分も嫌だった)。よくある上司の口上はこうだ「学会のついでに、旅行もできるし行ってきなよ!」。
これについては、旅行に行くのであれば、スーツなしで身軽な状態で行きたいのは言うまでもない。
ブーブー文句ばかり言っているが、専門医をとった後にしばらくは医局に残る選択をした自分にとって、学会発表はお世辞抜きに重要だ。若い時には正直わからなかった。
学会発表というのは「あなたがその分野に精通している」という対外的な評価につながるものである。その視点で、発表してみるといい。嫌だったら、さっさと自分の専門分野を決め打ちし、それ以外の分野での学会ではなるべく発表しないようにすればいい。
対外的に評価される項目をまとめてみた。
英語論文数
専門分野での講演数、学会発表数
所属機関での役職
出版物
これが全て。学内での働き・人間関係・雑務は医局人事や学内での評価には影響するかもしれない。しかし、対外的にあなたを評価できるのはこの項目のみだ。
専門医を取り、退局しフリーランス・開業するというのも現在のトレンドになっている。このパターンでは、何かの専門家というにはあまりに心許ない。上記の対外的な評価項目の蓄積が少ないからだ。
何かを作っても、世間は評価してくれない。商品の内容は大事だが、それ以上に「誰が」発信してしているかがもっと重要だ。
個人的には、対外的な評価を蓄積して、全員がなんらかの分野の専門家になってほしい。その上で、自身の商品(出版物・コミュニティー・サービスなど)を作り、世の中に貢献する。世の中に貢献した対価として、報酬を受け取る。
そこまでできたらもっと勤務医は増えるのかなと思う。実現は難しいかもしれないが、自分の商品を持つ勤務医の先駆けとして、活動していきたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?