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主体性を引き出すための関わり方についての仕組みを考える

コーチングコミュニケーションは、
相手の主体性を引き出すうえで、
とてもよい関わり方だというけれど‥

「話すだけで、
相手の主体性が本当に引き出されるの?」

「対話っていったって、コーチって、
相手に質問してるだけでしょ」

「コーチングって、魔法?」

そこで、
コーチングコミュニケーションって
何をしているのか?
コーチは、
そこでどんな役割をしているのか?

その仕組みを考えてみます。


主体的に行動する人とは?

初めに、
「主体的に行動する」とは、
どんな状態なのでしょう?

ここから考えてみます。

まず「行動」するわけですから、
その人には、行動の先、
つまり「目標」があります。

その人(クライアント)は、
目標に向かって、自ら進みます!

ですが、途中は山あり、谷あり。

でも、自分で状況を整理し、
方法を考え、
決断し、
自分で行動できる状態ですよね。

そして、目標に向かって、
自分でチャレンジし続ける。

そのような状態といえます。


主体的に行動する人の思考とは?

では、
その人「主体的に行動する人」の中では、
いったいどのような思考が
働いているのでしょう?

例えば、
「模試の結果が返ってきた。でも、
希望校合格のA判定には60点足りない‥」

そこで、
希望校に入学するという「目標」
に向かって、考えます。

「模試の点数を60点上げるためには、
自分に何ができるだろうか?」

「点数の取れていない国語の
得点アップが必要だな」

「国語の中でも、
得点アップが見込めるのは何だろう?」

「古典と漢文なら取り組めそうだ」

「どっちから手をつけよう?」

「漢文の方が、取り組みやすそうだ」

「そしたら、どんな問題集がいいだろうか?」

と、こんな感じですよね。
自分で「質問」し、自分で「答える」。
これを繰り返すことで考えを進め、
具体的な方法を導き出し、
行動に移していく。

そこには、「質問する」という行為と、
「答える」という行為があることが分かります。

「対話を通して答えを探しに行く」
という行為です。

これ‥、コーチングです!
そう、自分自身でコーチングしているんです!
これを「セルフコーチング」と呼んでいます。
実は、みなさん
「自分自身でコーチング」しているんです。

「主体的に行動できる人は、セルフコーチングをしている」

改めて考えてみると、当たり前ですね。
そこで、もう一段、深掘りしてみましょう。


主体的に行動する人の頭の中では何が起こっているのか?

これらの思考は、頭の中で行っていますね。
「脳」で行っています。

「脳」には、様々な部位があり、
様々なはたらきがあります。

その中でも、
このセルフコーチングには、
大脳にある「前頭葉」と「側頭葉」が
深く関わっています。

「前頭葉」とは、思考・判断を
つかさどっている部位、
そして、
「側頭葉」は、知識や経験を
記憶している部位です。

ですから、
「質問」は前頭葉で創り出されます。
「どうしたらいいだろう?」
と前頭葉が質問を出します。

すると、その質問に対して、
側頭葉が、これまでの経験や知識から
答えを探してきます。
「こんな経験があった、こんな情報がある」
と側頭葉が答えます。

その答えに対して、
再び「前頭葉」が思考・判断をし、
次の質問を出してくる。

これを繰り返しているわけです。

脳機能においても、
「質問する」行為と「答える」行為を
繰り返しているわけです。


コーチの役割とは?

では、
コーチングコミュニケーションの中で、
「コーチ」は、いったいどのような役割を
果たしているのでしょうか。

コーチングは対話によって成り立っています。
先ほどの「模試の点数」のテーマについて
みてみましょう。

コーチはクライアントに質問します。
「60点上げるためには、何ができそう?」と。

質問を受けたクライアントは考えます。
クライアントの前頭葉は思考しますが、
答えは出てきません。
経験や知識は前頭葉にストックされいない
からです。

そこで、前頭葉は側頭葉に
「60点上げるためには、何ができそう?」
と質問します。

すると、
側頭葉はストックしている経験や知識から
「点数の取れていない国語」
と答えを導き出し、前頭葉に答えるわけです。

そして、
前頭葉、つまりクライアントはコーチに
「点数の取れていない国語の得点アップが
必要だと思う」
と答えているわけです。

クライアントの答えを聞いたコーチは、
「国語の中でも、
得点アップが見込める分野は何だろう?」
と、次の質問をクライアントに投げかけます。

すると、クライアントの中では、
再び「前頭葉」が質問し、
「側頭葉」が答えるという行為が起きます。
そして、これを繰り返しているわけです。

いったい、何をしているのか?

そう、コーチはクライアントの中に
「セルフコーチング」を誘発しているのです。

主体的でない人は、
この「セルフコーチング」が苦手です。

それを、コーチが関わることで
クライアントの中に起こしているのです。

そして、これを繰り返していくことで、
クライアントの脳は
この「セルフコーチング」の仕方を覚え、
だんだんと自分自身でできるようになっていく
という支援をしているのです。

コーチは
「プロセスをコンサルティングする」
と言われます。
その人が自分でできるように、
自分で進んで行けるように、
やり方を身につけるコンサルティングを
しているのです。

ですので、
クライアントの脳で誘発された
セルフコーチングによって出されたきた答えは、
クライアント自身の想いです。

自分の想いを具体化していくわけですから、
やろうというエネルギーも大きくなります。
また、結果も受入れやすく、
次への行動へもつながりやすくなります。

加えて、コーチングの良さは、
繰り返していくことで、
クライアントが自分でセルフコーチングを
行えるようになっていくわけですから、
そこにはクライアント自身の変化、成長が起こります。

コーチングを通して
「クライアントが成長する」
と言われる所以ですね。


まとめ


主体的に行動する人は、
自分で「質問」し、
自分で「答える」という行為を繰り返す
「セルフコーチング」をしている。


主体的な行動をする人は、脳の中で
前頭葉が「質問」し、
側頭葉が「答える」という行為を繰り返す
「セルフコーチング」をしている。


コーチは、
質問することで、
クライアント自身の前頭葉が「質問」し、
側頭葉が「答える」という
セルフコーチングを誘発している。

そして、
クライアント自身で
セルフコーチングできるようになる
支援をしている。


参考文献


今回は、
脳の仕組みを考えながら、
コーチングを見直してみました。

最後までお読みくださり、
本当にありがとうございました。

あなたの1on1に取り組む勇気が
少しでも増したのであれば嬉しいです。



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