ブルシット・ジョブ ー その仕事、本当に必要?
NHK「100分de名著 マルクス資本論(3)イノベーションがクソどうでもいい仕事を生む!?」を視て、アウトプット。指南役は、経済思想家・大阪市立大学准教授の斎藤幸平さん。
「ブルシット・ジョブ=クソどうでもいい仕事」という、とても気になるフレーズ。
この言葉は、文化人類学者デヴィッド・クレイバーによるもの。
社会にとっては重要と思われず、むしろないほうがいい仕事を指す言葉で、クレイバーは、広告業、コンサル、投資銀行などを挙げている。
指南役の斎藤さんは、不安をあおって購入を促す仕事もこれにあたるという。
斎藤さんは、歯ブラシのコマーシャルを作る人が、モデルの歯を白くする作業をしながら歯ブラシの性能は全く変わらないと気づいていることは、ブルシット・ジョブにあたると指摘。
私はいつも、まぶたの二重整形やダイエットを促すCMも、本当に必要なのかな?と思ってしまう。
そもそも人の目の、二重が美で一重が醜とか、だれが決めたものだろう。これだけ多様性が謳われる世の中で、身体的な造作の多様性に対する否定だと受け取れてしまう。
コンビニや外食産業の食糧廃棄が問題視されているのに、「Go to eat 」が奨励されて、そして痩せていなければいけないと不安を煽るダイエットのコマーシャルが流れるのは、社会構造が生んでいるブルシット・ジョブかも。
スマホの機種変更をした時、雑誌読み放題とか、音楽聞き放題とか、体重管理アプリとか、1か月無料のサブスクが初めからインストールされていた。必要ないから退会するけれど、退会手続きを忘れたら、2か月目から自動的に課金される。必要な人に個別に販売すればいいものを、とりあえず新機種購入の全員にインストールする作業、本当に意味がないブルシット・ジョブ。消費者の退会手続きという面倒な作業も生んでいる。
私の過去のnoteでも触れた、日本国内で供給される年間約39億着の服、その半分が捨てらているという事象。
捨てられるだけの服にかかる労働は、結局意味がない。
さらに捨てられる服を処分するのにかかる労働も、意味がない。
環境を破壊した上での、ブルシット・ジョブ。いらない仕事。