“足部の捻れ“なくして“歩行“なし!
今回の記事は↓↓↓の過去Tweetをまとめたものになります。
歩行において足部の捻れが欠かせないというのはどういうことなのでしょうか。
まずは足部を語る時に欠かせない
ショパール関節
リスフラン関節
について復習していきましょう。
ショパール関節
ショパール関節は横足根関節とも呼ばれ、
距舟関節
踵立方関節
から構成されています。
ショパール関節の運動軸には長軸と斜軸の2つがありますが、歩行時には長軸での運動が主になります。
長軸は矢状面で前上方に15°、水平面で前内側に9°傾斜していて、
外がえし(回内)・外転
内がえし(回外)・内転
の運動が生じると言われています。
次に、ショパール関節の靭帯について確認していきましょう。
距舟関節には
底側踵舟靭帯(通称、バネ靭帯)
という靭帯があります。
後脛骨筋の深層を走行し、舟状骨を支えています。
バネ靭帯は
上内側繊維と下方繊維
で構成され、下方繊維は
中底側斜走靭帯と下底側縦走靭帯
に分けられます。
3つの繊維の中でも上内側繊維が
内側縦アーチの支持に最も貢献する
と言われています。
実際の内側縦アーチへの寄与率は8.0%と他の組織と比べると高くありませんが、足底腱膜を切除するとバネ靭帯へ加わる張力は91%増大すると報告されています(Taoら 2012)。
足底腱膜の機能障害が生じていることも少なくありませんので、
内側縦アーチ支持にバネ靭帯の存在は欠かせない
と考えることができます。
また、“バネ“という名称から、伸張性に富んでいるかと思いきや、
コラーゲン繊維で構成されており、伸張性に乏しい
と言われています。
踵立方関節には
底側踵立方靭帯(長・短足底靭帯)
背側踵立方靭帯
内側踵立方靭帯(二分靭帯)
という靭帯があります。
底側踵立方靭帯は長足底靭帯と短足底靭帯に分けられます。
長足底靭帯は
踵骨底面から立方骨・第2−4中足骨基部に走行しています。
その形から
長方形型(12%)
砂時計型(62%)
三角形型(26%)
の3タイプに分けることができますが、形態学的特徴に差がないことから機能的な違いはないことが示唆されています(江玉ら 2021)。
短足底靭帯は
踵骨底面前方から立方骨下面に走行しています。
繊維束が
表層繊維(内側)
表層繊維(外側)
深層繊維
の3つに分けられ、その繊維束の数から
Type Ⅰa (繊維束1つ)
Type Ⅰb (繊維束2つ)
Type Ⅱ (繊維束3つ)
の3タイプに分けることができ、形態学的に差があることから機能的にも違いがあることが示唆されています(江玉ら 2021)。
長・短足底靭帯はバネ靭帯と同様に内側縦アーチの保持に貢献しており、その寄与率は12.5%と言われています。
また、足底腱膜を切除すると長足底靭帯へ加わる張力は65%増大すると報告されています(Taoら 2012)。
バネ靭帯同様、足底腱膜に機能障害などが生じている場合には内側縦アーチ保持に欠かせない存在と考えることができます。
さらに、走行が踵立方関節面と直行し、立方骨の内返しを制動することから外側縦アーチの保持にも貢献しています。
背側踵立方靭帯は
踵骨上外側から立方骨背側に走行しています。
立方骨の内がえしを制動し、外側縦アーチの保持に貢献しています。
足関節内反捻挫などでこの靭帯に強い伸張ストレスが加わり、立方骨の剥離骨折などが生じる例もあるようです。
内側踵立方靭帯は二分靭帯とも呼ばれ、
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