挑戦主義者の主食
挑戦主義者の主食を知っているか?
それは間違いなく、ホルモンだ。
挑戦者の象徴とは何か。
それは、安定に甘んじない、果敢な未知へ挑む勇気だ。それを手にするために命を懸けてきた行動そのものだ。そして、そんな挑戦者の特権が食材として現れるなら、それは間違いなくホルモンだ。
ホルモンは、新鮮でなければ食べられない。保存技術のない時代において、ホルモンを味わうことはリスクのある狩猟にチャレンジし、成功した者たちだけの特権だった。獲物を仕留め、仲間とともにすぐに内臓を引き裂き、腐る前に平らげる。この一連の行為そのものが挑戦者の証だったのだ。
それに比べて筋肉の肉は、ある程度時間が経っても食べることができる。保存が利く食材は、挑戦者だけのものではない。しかし、レバーやハツのようなホルモンは、新鮮なうちにしか味わえない。つまり、未知なる脅威に挑み、成功した者だけが口にできる食材だった。
この特権を獲得するために、我々の祖先は危険を冒し、未知なる領域へ挑んできた。そしてその挑戦の記憶は、今もDNAに刻み込まれている。ホルモンを口にするとき、我々はその記憶を無意識に呼び覚ましているのだ。
「挑戦した者だけが得られる報酬」――ホルモンにはその象徴が詰まっている。
一方で、レバーやハツが苦手という人もいるだろう。しかしそれは、自分の中に眠る挑戦者の特権を放棄する行為に他ならない。腐らない、保存が利くものばかりを選ぶというのは、挑戦を避け、安全を優先する思考の現れではないだろうか。
レバーを拒むこと、それは挑戦を拒むこと。
新鮮なホルモンを味わうこと、それ自体が挑戦だ。匂いやクセに向き合い、一歩踏み出すことが、挑戦者としての覚悟を蘇らせる。
ホルモンはただの食材ではない。新鮮さゆえのリスク、新鮮さゆえの報酬、その全てが「挑む者にしか得られない」ものなのだ。
だからこそ、挑戦主義者たちはホルモンを主食に選ぶ。そこに宿る先祖の記憶を噛みしめながら、次なる挑戦へと向かうのだ。
やるか、やるか、やるか