さおだけ屋はなぜ潰れないのか
みなさん、「さおだけ屋」はご存知でしょうか?
「たーけやー、さおだけー」でお馴染みのあの「さおだけ屋」です。
有名なさおだけ屋ですが、実際に誰かが利用しているのを見たことある人は少ないのでは?
それでもさおだけ屋が存在し、全国でも有名なのはなぜか??
これから紹介するこちらは会計についての本です。
「会計」と聞くと経営者や一部のビジネスパーソンが扱うもので難しい、というイメージが強いかもしれません。
実際、会計の入門書などを読んでも専門用語がたくさんあり難しいものが多いのも事実です。
しかし、本書は冒頭で述べた「さおだけ屋」の話のように、身近な話題を取り上げ、まったく知識のない人でも会計を学べる入門書となっています。
作者は会計本は難しいというイメージを壊すため以下のルールで執筆したそうです。
日常の気になる疑問から話をはじめる
会計の説明も教科書的な順番を取らない
生活でも役立つような身近な知識を入れる
そのルールに則り、題材は「さおだけ屋」であったり「在庫だらけの自然食品店」であったり、一見すると儲かっていなさそうなのに潰れない店や、「ワリカンの支払い役」になることがキャッシュフロー上どのような利点があるかなど、身近に感じられるものが題材になっています。
「会計の本質は難しくない。会計の考え方はもともと私たちの生活をより便利にするために生まれてきたもの」
筆者が伝えたいのは本当にこれだけです。
また、会計的視点はビジネスだけでなく私生活でも役に立つということも本書では書かれています。
例えば本分内で筆者は「節約は絶対額で考えるべき」、と主張の例で以下のような問いを出しています。
1000円のモノを500円で買う
101万円のモノを100万円で買う
①は50%引きで2倍得したように思えても得したのはたったの500円。②は1%弱の割引でも1万円得している。
私はついつい割引につられ不要なものまで買ってしまったり、金額の小さい買い物で比較検討し少額の割引のために多大な時間を費やしがちでした。
しかし上の問いで、絶対額で考えると1万円の前には500円の損得なんてないようなものなので、節約は割合ではなく絶対額で考えた方が時間もお金も裕福にしてくれるのだろうな、と気づきました。
このように会計の本質を伝えるだけでなく、その知識が日々の生活にどのように役立つのかが本書では多数書かれています。
私は経理として働いているので会計知識を身に付けるために本書を手に取りました。
この本から経理業務は、会社の全ての活動を数字に置き換えることであること。
そして「会計」はその置き換えられた数字から具体的な活動を読み取ることだと気づきました。
私はこの本を実務に役立てるために手に取りましたが、ビジネスパーソンはもちろんそうでなもない誰にでもお勧めできる本と感じました。
作者の山田真哉さんは「女子大生会計士の事件簿」という、会計士の小説も書いており作家として文章もとても上手です。
一つの読み物としても面白いのでみなさんも読んでみてはいかがでしょうか?